三畳

僕らのミライへ逆回転の三畳のレビュー・感想・評価

僕らのミライへ逆回転(2008年製作の映画)
5.0
最高に楽しい!!ある日ビデオ屋の全部のテープから映画がうっかり消失しちゃうんですよ。それも驚くべき方法で!
幸か不幸か今は出張中の店長から店番を任されているあいだ。さあどうする?!

まさしくミシェルゴンドリーに一貫して流れるTHE手作りスピリット、何かを作ってわかちあう本能的な喜びが、私の中にも共振する!


ないものを、あるものだけでなんとかしようとする「工夫」に人は面白さを感じ胸を打たれる。
私も色々作ってたので、お金も時間も力もない中で、なんとかここをあれに見せれないかな?あれを使ったらどうか?組み合わせたり、逆さまにしたり、こっちから撮ったり、、、そんなことをずっと真剣に考えてきたよ。
つまるところどうやって人を楽しませようか、になるのかもしれないけど、その最中はそんな大仰な考えはなく、斬っては沸くピンチを無理やりオモシロにこじ曲げてるだけだった。


そして、壮大な捏造は、その日限りで消えてしまうから輝ける夢。暗闇で映し出された夢が明るく照らすのは笑顔。
誰も傷つけない大きな大きな嘘。この辺のことの成り行きがきれい。


冒頭のドキュメンタリー映画のいくつかの違和感
(出産シーンで小学生くらいの子が生まれてなかったか?笑)
を回収するまでの、みんなが一丸となってがんばるハートフルな流れは「カメラを止めるな」がもろパク…参考にしたかどうかはわかりませんが、好きな人はぜひ!


日常レベルで描かれる識字率の低さや学のなさもまた、太刀打ちできるわけない壁を感じさせる。ジェリーが黒人役をするために顔を黒く塗った時、空気が凍ったのもやっぱそういうことなのかな。でもジェリー自身が貧民街育ちだから差別意識が微塵もない故にそうしたし何故空気が凍ったのか分からなかったと。


必要に迫られて土壇場でこしらえたリメイク映画。ムーブメントが広まれば、著作権という概念に怒られる。そりゃそうよ。

元から個々人の懐には一銭も入れるつもりない、お店を守るためかき集めた微々たる利益を、権力者側が無慈悲に没収するのは気持ち的に悔しいけど、
他人の発想ありきで荒稼ぎする海賊版の横行は、映画市場そのものを滅しかねない、と簡潔に説明してくれる取り締まり役にも悲哀。


色々書いちゃったけど基本抱腹絶倒コメディ!ゴーストバスターズに関しては数分にわたって笑いが止まらなかった!

音楽はNothing from Nothing https://youtu.be/8HqyEHqEYho という曲。こんなのこれだけでもう絶対きゅんとなるじゃん。おどけた切なさがこの映画にぴったり!
(えっ…このメッセージを受けて無断転載YouTube貼るって何もわかってないな?!)(ごめんなさい。でもこの作品を観てほしい、そしてCDを買うね)

曲もだけど映画も、この短い尺で人を幸せにするのすごいなあ!
三畳

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