ざくろ

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリーのざくろのネタバレレビュー・内容・結末

-

このレビューはネタバレを含みます

脚色は多分にあれど、実話に基づいていることが凄い。きっと特に医療従事者の中にはこの作品がきっかけやバイブルになっている方がいそう、いて欲しい作品。同時に、「人間として」どう在りたいか、心とはなにか、改めて考える作品。

パッチについて作中では一切、勉学で努力する姿は描かれないが、生まれ持った記憶力や脳はあれど、無から有は生まれず、ある程度時間を管理したり工夫(努力)もあったからこそのトップだったのだろうと思う。言いたいのは、ミッチやカリンのように一生懸命勉強することが、決して無駄であるとか、疎かにしていい、ということではない。大事なのは真の目的は何か、を見失わないこと。そして、何のために、何をしたいために、目の前の当然だと思い込んでいる現実に囚われすぎず、多面的、多角的に見ること。それには一度自分の基準、柵は置いといて、その人に波長を合わせてみると良いこと。

きっかけとなった精神病棟の仲間、密かに理解を寄せてくれる教授、そしてトゥルーマンの存在も大きかった。情熱は伝染するのだと思い出させてくれる。

涙を誘う演出と思いながらも、堪えられなかった。思わぬカリンの死から、パッチの演説に泣いた。生と死に密接に関わり、人を助ける立場で彼女の情熱や想いも知った矢先に、己が説得したことにより死んでしまった最愛の人。そして、作中では事件の描写は深掘りされないことで、人の死は不可測で避けられないものと突きつけられる。

ラスト、それまでは患者へ向けた笑いが中心だったが、卒業証書授与の後ろ姿と皆の反応に思わず笑ってしまった。


世界中で闘っている医療従事者の方々に心からの敬意と感謝を。
R.I.P. Robin Williams
ざくろ

ざくろ