Jimmy

女の座のJimmyのレビュー・感想・評価

女の座(1962年製作の映画)
3.8
神保町シアターの『生誕110年 女優・杉村春子』特集で鑑賞。

成瀬巳喜男監督作品。
今回の特集で上映された『晩菊』と同様、現時点では、観られる機会が比較的少ない映画になっている。

大物俳優が多数出演しているオールスターキャスト。
出演:高峰秀子、笠智衆、杉村春子、司葉子(美しい!)、草笛光子、星由里子(可愛い!)、三益愛子、加東大介、宝田明、三橋達也、淡路恵子、小林桂樹、丹阿弥八津子、団令子などの凄いメンバー。


物語は、父親(笠智衆)の危篤騒ぎを発端に、昔ながらの大家族が次々と集まり、様々なことが起こる。母親が杉村春子。この父母の長男の嫁が高峰秀子であるが、長男は既に亡くなっている。このことを娘の一人(草笛光子)は「あなただけが他人だもんね」とキツイ一言。
ただ、血がつながっていない嫁(高峰秀子)が、自分の子供達よりも父母(笠智衆と杉村春子)につくしてくれる、というあたりは、成瀬巳喜男監督による『東京物語』である。

当時の東京の風景もなかなか良く、オート三輪=ミゼットが駐車してある背景に、昔のカルピスの看板が見えるあたり、時代を感じる。

物語は、作品タイトルが『女の座』であるように、女性中心に進む感じがする。
司葉子がアクビをする姿を見た男が「美人はアクビをしても美人だな~」には(笑)
しかし、本当に、この映画の司葉子は綺麗である。

恋敵(宝田明)を取られたと勘違いした娘(草笛光子)が嫁(高峰秀子)の頬をひっぱたく風景は、なかなか成瀬監督作品にしては珍しい。


この映画は、全体的に成瀬監督にしては辛口の映画となっているが、なかなかの力作である。
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