天野雄喜

さらば夏の光よの天野雄喜のレビュー・感想・評価

さらば夏の光よ(1976年製作の映画)
5.0
アイドル映画として企画された本作をここまでの傑作青春映画にした監督の山根成之はもっと評価されるべき人だと思いますね。

山根成之は本当に職人で、企画によって演出方法を見事に変えてくるんですね。劇画の映画化はトリッキーな照明や画面分割などのテクニックでみせて、本作では正攻法な演出。
本作の絶妙に寄り添いつつ、適度に客観的な立ち位置のカメラが作品をノスタルジックにしていますね。


男2人と女1人。不器用すぎる3人がそれぞれ相手のことを想っていたがゆえに迎える切なすぎる結末…

傷だらけのたったひと夏の青春…
それが過ぎ去ったときに大人になるのかな、なんてふと思ったんですね。

やはり何かが終わる時の切なさは好きなんだなぁ…

俳優陣も素晴らしく、郷ひろみが不甲斐ない主人公を好演、秋吉久美子の美しさがより切なくしていますね。
天野雄喜

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