ハンスウ

孤高のメスのハンスウのレビュー・感想・評価

孤高のメス(2010年製作の映画)
4.5
先日、「ジョン・ウィック」シリーズ3作を一気見したんですよ。この3本は去年観たばっかりだけど、新作を劇場で観るためにやっぱりもう1回おさらいしたいと思いまして。だけど、殺すでしょう? もう、ひたすら人を殺す。殺す、殺す、殺す。殺すシーンはほとんど夜ですよね。夜に人を殺す、殺す、殺す。思いもよらなかったことなんですけど、だいぶ気分が落ち込んでしまったんですよ😨 どんな映画か知ってて観たはずですけど、リアリティのないエンタメのお祭りだと思ってましたけど、しまいには、そこまで殺すことないじゃねーかよ、って思ってしまったんですよね。それで、もう劇場でシリーズ最新作を観るどころではなくなってしまって。おまけにその次に観た「沈黙のパレード」でも殺人事件を扱ってるし……。ま、もちろん知ってはいましたけど……。

とにかく、もう、当分人殺しはたくさん😖 ってなってしまったので、人1人の命をいかに救うかというドラマということで本作を。

数少ない私の好きな日本映画のうちの1本です。原作は読んでないですけど文庫本6巻の大長編だそうです。それを2時間にまとめてあるんですけど、これがちゃんとしてるんです。公開当時、脚本家のインタビュー読んだことあるんですけど、さすがに苦労はされたようです。取材やリサーチを重ね、改稿に改稿を重ねてようやく出来上がった脚本だけにちゃんとしてます。

大雑把に言っちゃうと西部劇みたいな作り😅 主人公がよそからやって来て困ってる人を助けてまた去っていく。といった具合。それをこのタイトル通りに医療ものでやってますけど。この映画はとにかく手術シーンが感動的なんですよ。最初の手術シーンで主人公がどういうキャラなのかを印象付けると同時に、器械だしの看護師であるヒロインが感銘を受ける。このヒロインとおそらく映画の観客は同じように感動できるようになってると思います。

基本的に過去に書かれたヒロイン看護師の日記を振り返る形式のストーリーになっていて、現在のシーンは懐かしの成宮くんが出演していました。今振り返っても残念な引退でした。業界は貴重な才能を失ってしまったなあと思う。

また、日記の文章はヒロイン夏川結衣さんのナレーションで伝えられるけど、ナレーションのお手本のようなナレーションだと言えるでしょう。映画が始まってすぐにナレーションが流れると、私はたいてい停止ボタンを押してしまいますけど、本作の、これほどストレスを感じずに聞いてられるナレーションも非常に珍しいと思います。感動的な手術シーンをより一層盛り上げる要素としてナレーションが効果的に使われている教科書のような脚本じゃないかな🙂

少年時代の中野大賀も名演技を披露してます。13年前というとつい最近のような気もするけどみなさん若いのでやはりけっこうな時間が流れたんだなあと思わされましたね〜。堤真一もまだ若くてかろうじてパリッとしていて意志の強そうな黒い目で命に対して誠実な医師役がハマりにハマっていて見応えのある名演を見ることが出来るし、ヒロイン夏川さんの片想い演技もハラハラさせられます。いろんなとこに的確なピースがしっかりとハマった名作だと私は思うんですけど。これ、平均低いね😅……
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