きざし

孤高のメスのきざしのレビュー・感想・評価

孤高のメス(2010年製作の映画)
3.9
人は、何のために仕事をするのだろう?
お金の為?
名誉の為?
それとも、人生を豊かにする為?

この作品の当麻先生を見て、仕事に取り組む姿勢の大切さを、改めて痛感した。

最近の若者の傾向では、仕事も楽しくないとイヤ、という事らしいが、仕事なんだから楽しいだけで済むはずがない。

浪子の感じた達成感こそが、仕事をする事の醍醐味ではないだろうか?

自分の恩師に認められる事の嬉しさ、すごくよくわかります。
当麻先生からもらった最後の、最高の言葉、
「あなたは素晴らしいナースでした」
本当に、涙が出るほど嬉しかったのでしょうね。

彼女はただただ、当麻先生に認められ、役立ちたい一心だったのだと思います。
そして、あの一言で、彼女はナースとしての誇りを持てるようになったのでしょう。

それにしても、夏川さんの目はとっても印象的ですね!
一度見たら、絶対に忘れない。
どこかで見たことあると思ったら、車のセールスレディのドラマ(タイトル忘れました・・)の人だったんですね。
あの役も印象的でした。


確かに、よくある様なパターンの内容で、これと言って予想外な展開もなく、人物描写もとてもわかりやすい。
特に、悪役の野本先生なんか、笑っちゃうくらいベタな悪人です!

それでも、この作品は、しっかりと中身が詰まっている。
心がこもっているのです。
だから、皆の心を打つのでしょうね。

そして、当麻先生のキャラクターの魅力的なこと!!
あり得ないくらい鈍感で、マイペース。
とにかく周りなんて気にせず、我が道を行く職人肌タイプ。
だけど、術中に指示を出す、彼の言葉の丁寧さ。
「あせらなくていいよ」など、さりげない気遣いに、彼の人間性の豊かさと、人に対する愛情が感じ取れます。

周りの人間を尊重すること。

あなたは、自分の同僚や部下にこのような態度がとれていますか?
恥ずかしながら私は、彼ほどに、尊重する態度を示していなかったと反省しました。

明日からはもっと、周りの人にやさしくなろう。
そして、自分のできる限り、最高の仕事をしてみよう。

そんな気にさせてくれる作品です。
きざし

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