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妖星ゴラスのogのネタバレレビュー・内容・結末

妖星ゴラス(1962年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

地球の3/4の大きさで6000倍の質量を持つ天体ゴラスが地球にぶつかるぞって話。その解決策が「南極にいっぺぇ並べたでっけぇジェット噴射装置で地球の公転軌道を一時的にずらす」っていう奇想天外な(少年の思いつきをもとにした)アイデア。やば。
天文学者に科学的考証を依頼してるのもあってか、1962年(人類初の有人宇宙飛行の翌年!)の特撮映画にしては思ってたよりもちゃんとSFっぽくなってる(とは言っても原案からして荒唐無稽だから高が知れてるけど)。ジェット噴射の仕組みや必要なエネルギー量とか、ゴラスをかわしても距離が近いと海が干上がるっていう懸念とか、結局上手くいったけど局地的な高潮による大津波で東京が沈む(けど人々は清々しい顔で「今度はより良い東京をつくろう」みたいなこと言ってる←エヴァの旧東京やシン・ゴジラの東京の元ネタと断定するのは安直か)とか。そもそもそれだけ大質量の天体はブラックホールになるんちゃうの〜とか考えたんですけど、この時代にはまだブラックホールっていう概念すらなかったんですねェ〜〜〜。"black hole"という言葉が用いられた最も古い印刷物は1964年のものだそう。許したる。でも公転軌道をずらす影響についてほとんど触れられてなかったのは物足りなかったな。一応ラストに「公転軌道をもとに戻さないと大変なことになるけど北極には大陸がないから大変になりそうっすね笑」みたいな会話で終わる。
あとこれだけは言っておきたいんだけど、怪獣(マグマ)いらんかったな!!しかもどう見てもセイウチとかアザラシみたいなルックスなのに爬虫類っていうわけのわからん設定はなんなの。せっかくの円谷特撮だからと怪獣の登場を要求した東宝上層部に対して監督(本多猪四郎)は反対していたと知って安心した。まあ派手なのを中盤で一発かましとかないと子供ウケが悪い+画が保たんのはわかる。怪獣出したのに【接近するゴラス、ジェット噴射装置、動く地球】の画がくどかったしな。でもどうにか工夫してほしかった。装置を壊したいだけなら「地球滅亡を望む(受け入れる)人々orゴラス信奉者のスタッフが破壊工作をした」とかでもありじゃないか?そっちサイドの人間も見たかったな〜。
>なお、マグマの登場シーンは、海外公開版ではカットされている
わろた。正解です。

【追記】
宇宙船に潜望鏡みたいなのがついてるの、今じゃ笑えるけど無理もないか。
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