tosyam

妖星ゴラスのtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

妖星ゴラス(1962年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

改稿。まず妖星と称している点。主人公えんずる久保明はハヤタ隊員役の候補だった。ゴラスへ宇宙船で接近を試みるも衝撃により記憶喪失に陥る。このシーン。まんまウルトラマン誕生である。ウルトラマンのように衝突こそしなかったが例の赤い球体とゴラスのビジュアルがそっくりだった。また記憶喪失という点においてもよく似ておりハヤタも実は最終回に至るまで記憶喪失という設定になっていた。そう考えるとハヤタの衝突は規模こそ小さいがやはり前代未聞さかつ神話的という点においてはそれがウルトラマン誕生の瞬間であることそれにかわりはなくゴラス最接近と同等の特撮史に輝く超大イベントでもあったということを本作の久保明は見事に立証しているのではないだろうか。そんなこんなでビートルの登場といううわべだけでなく本作も世界大戦争フランケンシュタイン対地底怪獣と並びウルトラマンいや特撮ヒーローの有する深い本質を語る上では決して避けては通れない。ウルトラマン最終回でのハヤタの記憶喪失に関してはネット上でも物議を醸しているがエヴァなみに彗星衝突程のレベルでの誕生契機は他のウルトラヒーローには見られない。怪獣被害レベルがほとんどだ。そこに特殊性と原点性が凝縮されている。何億光年かわからないがウルトラマンの赤い球体はブラックホールレベルの大きさで彗星とかというより小宇宙別世界その塊それとの遭遇と捉える。と。その遭遇レベルはクトゥルーレベルの神話性を有しているはず。だから精神とか肉体とかどうとかの二元論近代思考そのものからしてウルトラマンでは無効なのでは。鍵はやっぱり本作にありここから議論は始められなければならないのでは。敗戦を契機にキリスト者の円谷英二がウルトラマンで新たな古事記日本書紀を創造しようとしていたと考えると興味深く感慨深い。ウヨではないがコロナ有事とかかんがえると日本人の自分というのも生きる支えにしたい。
tosyam

tosyam