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座頭市牢破りのseapony3000のレビュー・感想・評価

座頭市牢破り(1967年製作の映画)
5.0
はじまりの質感からもうなにかが違う。勝プロ第一回作品、わって思った瞬間ものすごい音楽、すぐわかる池野成。刀を持たず農民に効率の良い農業を指導する鈴木瑞穂〜〜👏No博打No女郎買いNo喧嘩をモットーに背筋のびる瑞穂センセーの真っ直ぐな説教。女に拒まれて蝋燭たらして輪姦させる西村晃、卑しい按摩の藤岡琢也に小判ばら撒き成金の玉川良二、啓介唄子も出てるし、声良すぎてひとりだけ舞台芝居の異質な細川俊之。みっしり豪華キャストで嬉しい。勝新の三味線も聴けるし歌も聴けるサイコー。市があれだけリスペクトしていたのに戻ってきたら人が変わったみたいに悪の化身になってる三國。ゲホゲホ咳して死相も出ている三國。火縄銃で狙われたあとに泥だらけの足跡つけて先に上がり込んで待っているシーン良い。土砂降りのなかちょんまげ斬られてバサバサヘアの三國が、にじりよる市に咄嗟に石ころ投げつけるシーンもすごく良い。首ゴロリ→胴体から血が噴き出るタイミングも素晴らしい。囚われて籠で運ばれる瑞穂センセーを追いかけて、農民から板戸に載せて担がれる市。「座頭市 海を渡る」では市を利用して村人たちはダンマリをキメていたけど、こちらは総出で戦って市を熱く見送る。中島丈博だし、どこからみても山本薩夫らしさしかない回でした。
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