ビョーキノオタク

アレックスのビョーキノオタクのレビュー・感想・評価

アレックス(2002年製作の映画)
3.0
ぐにゃぐにゃカメラワーク

映画内の出来事が、逆の時系列で展開する作風といい、「オリジナリティを出そうとして的外れなことをする大学生の作品かな?」と思わせといて、後半ではちゃんとしたカメラワークだし、場面展開する時の編集点もぜんぜん分からないくらい上手い。(ワンカットに見えるので臨場感がすごい)

中盤の9分間ワンカット定点カメラでの凄惨なシーンもすごい。
これ役者にも演技力がないと9分間演技するのも難しいでしょうに。
(このシーン、ワンカットに見えるんだけど、男に顔を蹴られる前は女優の顔に血が付いてないのに、蹴られた後は付いてるんだよな。どうやって血糊つけたんだろ…)

終盤でアレックスが言う「赤いトンネルが裂ける夢」は、その中盤のシーンを指しているだろうし、自分の貞操が裂かれた暗喩でもあるだろう。

エレベーターの中で彼女が言う「未来は決まっているんだって」のセリフも、この映画は結末から始まるので、視聴者は未来を知っていることに繋がる。

……

導入部分に出てくる肉屋の男、同監督の、「カノン」「カルネ」の主人公のおじさんか。
そっちも先に観ておくと、「時は全てを破壊する」のセリフも重みを増すなあ。