三四郎

決戦の大空への三四郎のレビュー・感想・評価

決戦の大空へ(1943年製作の映画)
3.5
海軍記念日における東京での行進の話をする時、正座で背筋を伸ばし、今までの会話とは雰囲気がガラリと変わった。
軍艦マーチと共に、東京駅、宮城を拝して九段へ…そして靖国神社。

予科練生活をスマートに描いており、兄弟、家族のような互いの交流を思わせる。しかし、私はこれを見て入学(入隊)したいとは思わなかった…。子供時代、海軍に憧れていたが、私には集団生活は向いていないし耐えられないと認識した。
少年たちの憧れを煽ろうとした国策映画だろうが、私は軍人になれないし、なりたくないと感じた。

映画自体、決して悪くない。
戦時中に撮影されているが、嫌悪するほどの内容ではなく、やはりスマートによくまとめられている。
しかし、関根という人物の戦死美談には頷けない。
「お前たちは軍人となった瞬間に、御上に捧げた身体である以上、『自分』というものは、残っていないはずである」この科白を聞いた時、「冗談じゃない」と思った。滅私殉國かぁ…。海軍伝統の攻撃精神、犠牲的精神…。自己本位な私には合わない笑

1時間5分辺りから、レニ・リーフェンシュタール監督のような演出がなされており、それは素晴らしかった。
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