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ベンゴのgeminidoorsのレビュー・感想・評価

ベンゴ(2000年製作の映画)
4.9
"恨"の精神が通奏低音として根付くアジアの何処かの国とは違う意味で"The筋を通す生き方"がー
男と女、血(家)、弱者と強者、老いと若きetc.の対比の中で、復讐劇の形を保って描かれる。

ぶつかり合う他国の文化や時代の変化の火花が、音楽を通して(歌詞内容が判らずとも)美しいメロディと、激しいリズム、そのグルーヴに依って観る側の奥の方に響いて来る。
常々、音楽にとって一番大切なのは"静動問わずグルーヴだ" と思うワタシには堪らない体験。

ロックやジャズの垣根等は演る側としては大切なことではなく、ブルース根幹の魂はカテゴライズされたジャンル名を越えて伝わる背骨には伝わる…等々が頭ではなく解る(感じる)耳を持つ輩ならば、きっと本作からは"魂に触れてくる音"が聴こえる筈だ。

アナタがこれまで万年、"在り処"を探しているヒトならばー
或る意味"旅をし続けているヒト"ならばー
グッとえぐられる何かが、きっと感じられるだろう。



ちなみにワタシは今のパートナーと出逢って直ぐ映画の話になって、"理屈抜きで胸に響く作品は?"と尋ね合い、同時に"ベンゴ!"と呟いたのを思い出す。コレは奇跡に近い驚きだった。
"あの時に騙されたっ"とは、未だに思っていないから、マァ共に歩んでいるのだろう。
たまに一緒に本作を観返す。

スコアが満点では無いのは本作が万人にお勧めではない作風だから(かな?)
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