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ヴァンダの部屋のmikuのレビュー・感想・評価

ヴァンダの部屋(2000年製作の映画)
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リスボンの片隅にある、壊れゆく町。ほとんど一日中ベッドから離れずに、薬を吸い続ける女。死に絶えそうな咳をした挙句、吐物が布団についてもそっとそのままにしておくような人生。人々の話題は薬について、注射針で生じた膿瘍について、窃盗で捕まった姉について等々。娯楽なんかないから、みんなひたすらに薬ばかりやるのか。はたまた薬ばかりやるから娯楽なんか消えていくのか。いずれにしてもこんな地獄がこの世の中に確かにあったのかもしれないと、思うことが恐怖。淡々と映された彼女たちの姿を見続けるのには、かなりの忍耐が必要だった。けれど、どうしてこれを見続けなければいけない気がして耐えた。
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