ヴァンダの部屋の作品情報・感想・評価

ヴァンダの部屋2000年製作の映画)

NO QUARTO DA VANDA

製作国:

上映時間:180分

3.9

「ヴァンダの部屋」に投稿された感想・評価

Cem

Cemの感想・評価

-
2回観たけど2回とも途中でギブアップしてしまったので本当に悔しいです
いつか最後まで見れる日が来ますように…なのでスコアはまだ付けれません

3時間という長さはもちろんのこと
肺ガンのような咳が続くと私まで苦しくなって気が滅入ってしまうので、身体と心が元気なときにまた鑑賞したいです
早稲田松竹にてペドロ・コスタ『ヴァンダの部屋』。
壊される家、というか廃墟。光の当たらない闇の中で、ただ生きているだけの人間。とにかく出てくる人間がみんなヤバい。絶対に映画でしか見られない、危険な映像である。ぶっ壊される家々の音を聞け!
久しぶりに“映画” ってものが拡張される感じのある作品だった。咳、工事音、怒鳴り声、どこかで子どもが遊ぶ声、小さなテレビの音、…
どういう方法論のもとで撮られたのか、きちんといろんな資料にあたりたいところではあるんだけど、おそらく、演技ありきのドキュメンタリー、ってところなんだと思う。実際にスラム街に生活している人々に、カメラの前でふだんの姿を演じてもらうっていう。(駒場のときに受けた映像人類学の講義で紹介されていた方法と似てるかな。エスキモーにふだんの生活を演じてもらうドキュメンタリー。)

「再開発によって取り壊されゆくスラム街」と「暗い部屋で日々の生活の些末なあれこれに文句を垂れ、ドラッグがないと喚き続けるヴァンダ」の対比を描いていて、それはもしかしたら(ヴァンダ自身は気づいていない)パンク精神の顕れだったかもしれないし、あるいは、世界と個人との断絶とでも言えるものかもしれない。
ひとつひとつの会話はどうでもいいものかもしれないけど、"どうでもいい会話をしている"っていう事実が重要だったんだと思う。

ほぼ全編カメラは覗き見的な役割を果たしているんだけど、そのなかでふと男性がカメラの方を見据えるシーン、ぞっときた。
G

Gの感想・評価

3.8
咳、痰を吐く音、重機の騒音…が延々続く。コロッサルユース見た後だったから多少見れたけど公開順は当然逆なわけで最初にヴァンダの部屋から見てもなんだかわかんなかっただろうな。
作品特性もあってか目的がないように見えるシーンを3時間繋ぎ合わけて鑑賞するこの作品は、家で流しっぱなしにしたりカフェで上映する方が向いているのかもしれない あと美術館(こういう風にレビューを書いてる方がいて自分の感じ方は間違ってなかったと嬉しくなる)
映画館で観たこともあって、とにかく生活音(工事の音、鼻歌、喧騒、鳥の鳴き声)が賑やかでうるさいほどだけど、そのうるささの中にこそ、生活があるのだなと思って耳を防げなかった
anakarumik

anakarumikの感想・評価

4.2
ありゃ、他人事じゃない。というか、布っぺら一枚で見えてないだけの光景なんだと思うイントーキョー。
ドキュメンタリーのようで演出もかなり入ってる感じ、とても面白いし共感する。
生々しさとか、被写体との距離とか、すごく良かった上でポルトガルの影の部分。射す光が当たる身体の部分がみずみずしい。
milagros

milagrosの感想・評価

4.5
ガンガン鳴り響く取り壊しの音に囲まれながら、ゴホゴホひたすらクスリをやりつづけるヴァンダたちの、剥き出しの命。火のでなくなったライターの山が、あの部屋で流れた時間の長さを伝える。

ヴァンダがふっとみせる優しさがとてもいい。「助け合って、分けあって生きていこう。お前はここにいていい」。そう、ここにいてもいい。
野外でタバコ吸いながら鼻くそほじってるバンダナのおばさんと右目の開かない鼻に横傷のついた老婆がインパクト。カットをつなぐ時に同じ音(人の声とか工事の音とか)が違う響きで聞こえるからやたら立体感がある。にもかかわらずフレームを狭く切ってるせいで空間把握ができない。ジャンキーな彼らの日常が、暗闇に身を寄せるぼくらの迷路になる。その感じに恍惚を覚えるような。
墓地の「造花"は"禁止」の看板に笑いました。部屋の片付けをせずにずっと注射打ってる厚着の野郎がなんか好き。たどたどしすぎるNo Woman No Cryもやばかったな。
取り壊しが進むリスボンの移民居住地区。そこに未だ住み続ける主人公ヴァンダと住人たちの日々を切り取るドキュメンタリーフィクション。

ヴァンダいわく、この町は「昔はジャンキーばかりじゃなかった」「思い出がある」町なのだという。ヴァンダは未来より過去を見ていて殻に閉じこもるように部屋でヤクばかり吸っている。埃まみれのガレキの町は虚しく、ヴァンダの言う面影はない。

ヴァンダやジャンキーは「昔」はヤク中ではなく、この町でそれなりに思い出を紡いできたのだろう。しかし今は居住地区の終焉と共に彼らも退廃しかかっている。
住人によって散り積もってきたであろう貧しさとクスリに頼る日々の影。それらを浄化するといわんばかりに町の取り壊しは進み、居場所を追いやられる緊迫と切なさ。

壁にスプレーされた大きな黄色のバツ印。取り壊しのサイン。人の手と重機であっという間にガラになる家々。住んでいた町が目の前で壊されていくのは、もしかしたら自分の存在さえ否定される感じかもしれない。逃げ場のない貧しさと居所の喪失のなかで、将来と生活への不安、惨めさとの葛藤と逃避が入り混じる。

なんの希望もない。終盤ヴァンダの部屋にも重機が取り壊す音が迫る。その後ヴァンダが何処へ行ったか、あの土地がどうなったか劇中から知る術はない。見終わった後、胸にヒリヒリとした虚無感とやけにギラついたヴァンダの眼光だけが残った。
真面目

真面目の感想・評価

3.7
圧倒的…
長かったが飽きずに観れた…
180分あっと言う間。
なにも起きないが。
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