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ヴァンダの部屋の324のレビュー・感想・評価

ヴァンダの部屋(2000年製作の映画)
4.2
屋内照明すらないボロ屋であることで窓から差し込む外光により絵画的な美しさを得てしまう哀しさ。
光の美しさと対照的に照らされる被写体は街の崩壊と自身の死を待っているように全てを諦め、麻薬に溺れて沈んでいく。ただ暗い部屋の中で咳き込み、ゲロ吐いて、生産性のない会話をする。

構築された画の美しさと被写体のヴァンダたちのカメラを意識しない自然な振る舞い(ゲロ含む)に、ドキュメンタリーであることを1時間くらい信じられなかった。
ペドロ・コスタ自身がヴァンダの部屋と同化しなければあんなのは撮れない、と考えると想像を絶する労力に頭が下がる。ただもう二度と観たくない。
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