1937年、ヘンリー・コスター監督。
ジュディ・ガーランドと並ぶミュージカル・スター、ディアナ・ダービン主演。
公開当時一世風靡した作品のようで、Wikipediaを覗くと幾つかのエピソードが載っている。私のお気に入りは、黒柳徹子さんが生まれて初めて観た映画だということ。徹子さんの父上はヴァイオリニストだったようですね。
指揮者のレオポルド・ストコフスキー×フィラデルフィア管弦楽団が出演している。
ストコフスキーさんは台詞付きの演技もしている。
ディズニーの『ファンタジア』の音楽もこの組み合わせが手掛けていて、ストコフスキーはタクトを振るシルエットで出演しているらしい。
そんなシーンあったっけ…。タクトを振るのはミッキーだけかと思っていた。
顎を上げたスタイルは確かに特徴的で、絵になるかも。
ダービンとストコフスキー、2人の出演により、後々「アイドル映画」と揶揄される羽目になったとも言われる。
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ストーリーは、ダービン演じるパッツィの父の、職探しから始まる。
トロンボーン奏者の彼はオーケストラを解雇され無職である。実は無職音楽家仲間は沢山いて、ひょんなことから皆で私設オーケストラを結成することに。しかしスポンサーになるはずだったフロスト夫人と連絡が取れず…さあ、どうする?という話。
パッツィの明るさと行動力、そして美しい歌声によってピンチを切り抜け、未来を切り拓いて行くミュージカル・コメディ。
ドタバタ&偶然の幸運によって展開して行く王道コメディだけど、明快なストーリーはテンポが良くて飽きない。
音楽の力が現実において突出する。世界中で戦争の影がちらつく世相において、言葉や理念ではない何かを希望に置き換えることが出来る、そんな作品だったのかもしれない。
白黒映画。