山科晃一

悲しみは空の彼方にの山科晃一のレビュー・感想・評価

悲しみは空の彼方に(1959年製作の映画)
1.7

ダグラス・サーク監督『悲しみは夜の彼方に』(1959)

DVDにて鑑賞。

すごく良い映画だからあえて批判的に。

登場人物の自意識が確立しすぎている。
「私はこういう人間だからこうなの!」
という、つまらなさや、

悲しい時に泣いて、嬉しい時に飛び跳ねる、つまらなさ、

黒人-白人という明示的構図による物語回収の、つまらなさ、

あらゆる"つまらなさ"をワザワザ拾い集めてしまった。

のは、実は自分の作家としての調子が良い時でもある。観ているだけで満足しなくなる、ウズウズする、と同時に書き始めたり、撮り始めるから。実際、映画は良いモノだと思うが、批判的な態度や渇望、フラストレーションをワザワザ見つけ出す時、今度は、じゃあ、私は何を求めるのか? という問い掛けを同時に遂行している。書く、撮る。それ以外にない。
山科晃一

山科晃一