悲しみは空の彼方にの作品情報・感想・評価

「悲しみは空の彼方に」に投稿された感想・評価

完璧すぎた。

「私は上り続けるの」と言って階段を降り続けるとことか天才過ぎてビビった。
超特濃の物語で驚異的なまでに省略が効いている。しかし、こういった細かな導線の設計で確実にキャラクターたちの心理を掘り下げているから短い時間の中でも本当に彼女らの人生を目の当たりにした感じがある。

冒頭のビーチのシーンからして本当に軽やか。人物のアクションが優雅に力強く計算されて映し出される。立ったり座ったり扉を開けたり閉めたり…こういった日常の何でもないはずの動作が全てドラマチックな意味を持って示される。

心理も感情も本来フィルムには残らないはず。だが、この映画には確実に映ってしまっている。奇跡の一本。
いしが

いしがの感想・評価

3.5
映像で言うと古典的ハリウッドの中ではかなり独創的で今観ても映画としての見応えは間違いなくあるけど脚本だけ好みじゃない。
白

白の感想・評価

5.0
光はまるで、行き場を失った魂のようにいつまでも彷徨い続ける。その輝きに触れようと何度となく闇の中で手を広げてみても、最早何にも触れることは叶わない。その小さな光はいつも、伸ばした指のほんの少し先に温かく浮かんでいるだけだ。
女優の卵が出世街道を上っていくドラマかと思いきや、黒人の母親を持った色白の娘という母娘を通じて黒人差別問題までも描いたダグラス・サーク監督の感動作。
カラー映画なので、女優を演じたラナ・ターナーの美しさが映える。特にブロンドの髪が綺麗。

物語は、美貌のローラ(ラナ・ターナー)は夫に先立たれて1人娘スージーと一緒に海辺に来ていたが、そこで黒人女性アニー(ファンタ・ムーア)と知り合う。黒人アニーは白人の夫に捨てられて、娘サラジェーンと一緒に過ごしている。サラジェーンは色が白くてほとんど白人。これが悲劇を生むことになる。
白人ローラも黒人アニーも定職が無く、ローラは出産前に目指していた女優の道を再び追いかけ始めていた。そんな時、彼らは青年スティーブ(ジョン・ギャビン)と出会って、彼はローラに心底惚れてしまう。スティーブの気持ちを知りつつ、ローラは仕事のためなら…と彼を振り切って舞台オーディションに向かう。
「そうして本当に愛している男とサヨナラして女優を目指していると不幸になるぞ…」と思いながら、続きを観ることになる…。

これまで、ダグラス・サーク監督作品は『ショックプルーフ』・『眠りの館』などノワール系映画を観ていたので、こうしたロマンティックで綺麗な映画を撮れる監督とは知らなかった。
また、ロマンティックなだけでなく黒人差別問題まで絡めて描いてクライマックスに持って行く手腕は見事!

本作はリメイク版であり、オリジナル版(クローデット・コルベール版)も観なければ……。
peco

pecoの感想・評価

4.5
誰も悪くないのに。気持ちが引き裂かれてバラバラになりそう。でも、何かとても温かい。
映画というものは、
なんてことまずお門違いだ。
どうあらなければいけないなんて一番耳を塞ぎたいフレーズでそんな現実からの逃避で映画に出会う。
大体の小悪党は逃げる場所が映画館であったりするように
私の場合は違うという人はすいません。
そして感動した後、次に人は前よりも強烈な体験を求める。もっともっと上をと、人間の欲は尽きる事はない。
そして飽くなき追跡が始まって行くのはよくある話であろう。
映画に限らず大体の事でそうだと思うけれども
娯楽というものにおいてのそれは殊にそんな気がする。
その追跡の日々が始まった時、大抵多数の人に付き纏うであろう観念として想像するのは自分の行いの意義を見出す事であろう。
それはもしかすると逃げ道を確保し始めているのか、逆に逃げる事を考える道を封じているのか、破滅を考えての戒め自制心なのか
いずれにしてもそんな事を考え出している時点で不潔な見方が始まっている気がしながらも
未だ知らぬ他人にその映画を伝えるという段になった時、一番わかりよく伝わりやすいのは何何な感じとかこうこうこういうジャンルと伝えればわかりやすく、端的にいえばいうほど他人は耳を傾けてくれるものだ。
だからといってそういう風に伝えるというのはちょっと手抜きにあたってしまうのではという気もするのだけれど
初対面の長話ほど聞く気にならないのは一つの真理
この映画はそういう目線で伝えるとすれば、どうだろうか
虐げられる者たち、差別を訴えるようで最後は人生の果敢なさを盾にし愛の在り方を問う映画ではあるまいかと私は思った。
この映画のテーマの一つは人間の強欲であると思われるのだ。
エゲツない出だし
オープンニングで愛の無い人生は虚しいといった主旨の曲が流れる中
ダイアモンドが延々と空から降ってくる。
愛の無い人生は虚しいと言いながらキラキラ終わる事なく降ってきて積み重なる宝石
もしかしてザビートルズのルウシイインザスカイウィズダイアモンズはここから来たんじゃないだろうかという妄念が湧き上がったり
オープニングが終わるや否や
とあるビーチ不安そうに迷子になった娘を捜す白人のシングルマザー、その階段の内側下で黒人のシングルマザーと娘その隣に仲良く戯れているのは捜される白人の娘。
そして保安官に連れられて白人女性と娘は無事に再会を果たすのだが、
ここから第一章先ずはその日泊まる場所のない黒人親子、娘をウリにガツガツと一見金持ちそうにみえたのか白人親子に自分を家政婦として住み込ませるように頼み込んでいる。まるで居残りサヘイジ幕末太陽伝を思わせつつもスポットは白人母へ、先ずは白人女性を食いものにする世界で紆余曲折のスタア誕生を目指す道のりそれから黒人娘の苦悩、愛、仕打ちと反抗、居場所探し、黒人娘は生まれた時から居場所を探し続ける。並行して居場所を探すのは何も黒人娘だけではないお利口さんでなんでも与えられる環境に置かれても満たされない愛、そして今一度黒人娘と母の愛についての流れ、
女性がメインで登場する。
男性においては突出しているが
登場人物は基本的に全員クズ野郎欲望丸出し一方的に愛を放ち自分勝手な奴等ばかりだ。
だけれども、それでいいしそれがいいんじゃない全ては儚い人生だから
欲望のダイアモンドを積み上げるしかない。
と打つも戦っている気はして戦いの映画であろうとも、それでも詰まるところ愛が必要なんだ根本には差別される者や虐げられる人たちに寄り添う優しさに溢れているよう終始感じた。
理想と現実は違うがその中で出来ることをとでも言われているような気もして
多分かなり誤解だらけだろうけれど
4人の女性の人生の物語をこれぞとでもいいたくなる具合
なんでもないひとつびとつが
その時代のハリウッドの良さなのかしら
飽きる事なくみせてくれる。
ダンスのひと時だけが不安を掻き消してくれるようなシーンが印象的だったけかな。
サンラ

サンラの感想・評価

5.0
ファーストカットのビーチが良すぎて痙攣した。イカれた色彩泣ける。物語に関しては完璧すぎて何も言えん。
蹂躙

蹂躙の感想・評価

5.0
妥協せずに人生を切り開いた家族と、妥協せざるを得なかった家族の話。どっちが幸せかはわからない。何も解決しない。

死ぬほどメッセージがあるんだろうが、それを頑張ってメロドラマに仕立て上げた根性。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

4.0
‪「悲しみは空の彼方に」‬

‪冒頭、1947年コニーアイランド。

ダイヤモンドが降り注ぐ。歌が流れ、海水浴の描写に変わる。1人の女性が迷子の女の子を探す。黒人の家族、低賃金で住み込み、吹雪、偏見、女優業。今、2つの家族の感動の物語が始まる…

本作はD.サークによる米国最後の作品で、人種や肌の色をテーマに家族の在り方を模索して描いた名作で、この度BD化され初見したが素晴らしい。

まず、BDだからなのか映像の色彩がくっきりと色付けられてとても綺麗だ。雪の画にしろ、海にしろ、ファッションにしろ…全てが美しく映り込む徹底的なサークの美的センスには脱帽する。

この映画のテーマの1つに徹底された肌への根深い偏見を浮き彫りにしている。サークって巨大窓ガラスがある家を舞台に捉えるの好きなんだな、あと暖炉。

さて、物語は真夏のニューヨークの海岸で迷子になった1人娘を懸命に探す女優の卵である母親がそこで遊んでいた黒人女性の娘さんと出会す。2人は世間話をし、彼女たちが貧困に苦しんでいる話を聞き自分もお金があるわけではないが養育係として雇う事にする。

そこから幾つもの時代を過ごして行く。軈て、2つの家族に哀しい出来事が…とこんな感じなのだが、あの母親と娘が包容するクローズアップはマジで泣ける。

そしてラストの教会の積み重ねショットは圧巻する。とても慟哭する。ドラマとしてはとんでもなく優れた作品だ。やはりジャクソンのゴスペルが強烈で、一面花に囲まれた棺桶と参列者の哀しみに満ちた表情、死による帰結、それがサークの長編最後とするなら、なんとも…重ねてしまう終わり方だ。

本作はそもそも1934年にオリジナルがあるらしくサーク版はリメイクにあたるそうだ。タイトルは「模倣の人生」でまだ未見である。近々観てみたい。本作でアカデミー賞にノミネートされた黒人女優のファニタ・ムーアの芝居が凄くて圧巻…。だが、主演の白人家族の女優の母親役のラナ・ターナーも優美でエレガントで、尚且つ聡明でとても貧困には見えないが、泣く芝居は凄く印象深い。

米国が激動の時代と言われる60年代に入る前の物語だが、外見からはほぼ白人にしか見えない黒人の娘が黒人であることを恥じて白人と偽る場面や白人家族の母は女優になり、黒人の母はメイドになると言う極端に違う仕事選びも些か我々からしたらえっ、となる。

少しばかり感傷的な気もするが人種問題を学ぶにはうってつけの作品でもある。

ファスビンダーがリスペクトしてるのが分かるくらい絶望の中に光を見出せる魅力的なストーリー性が心に響く…傑作だ。

‬ ‪それにスパルタカスでオスカーを受賞したR. メティのカラー撮影はずば抜けて素晴らしいと思う。
公民権運動の時代を勉強するとより良いかも…あぁ傑作だ。‬
スージー大好きマン。
とにかく動きまくるスージーの演出が凄いなぁ。
もはやアニメですけど、実写も全然これぐらいやっても成立するのね。
それ以外の俳優も昔はとにかく動いて生き生きしてる。

アメリカの良心を強く感じる映画でした。

ただ結構ラストは得体の知れない感じもあって、サークの映しだそうとしてる事は人種差別と愛だけではない気がした。
次に見る時はそのメッセージをしっかり見つけたい。

人生の重さを感じるラスト。
でも、極彩色の人間愛をより強く感じられる映画。
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