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続・激突!/カージャックのBOBのレビュー・感想・評価

続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)
3.5
スティーブン・スピルバーグ監督の劇場作品1作目。

テキサス州シュガーランド。一人の女性が、里親の元にいる実の息子を取り戻すため、収監中の夫を脱獄させる。逃走中、一台のパトカーをハイジャックする。

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スピルバーグ監督の自伝的映画『フェイブルマンズ』に向けて、未鑑賞のスピルバーグ作品を順に追っていく。

スピルバーグ監督が撮ったアメリカン・ニューシネマ。ストーリーはアメリカン・ニューシネマの定番といった感じだが、所々にスピルバーグ演出が見て取れた。やはり映像で語るのが巧い。

邦題に引っ張られて、スピーディーでスリリングなカーチェイスがメインかと想像していたが、破滅へと向かっていく夫婦の儚い純愛ドラマが作品の中心にあった。銃の脅威、死の匂い、哀愁があった。

冒頭から聞こえてくるハーモニカが印象的なテーマ曲と、ラジオから流れてくるカントリーミュージックが雰囲気たっぷり。一作目からジョン・ウィリアムズが関わっていたことに驚いた。

前半のシュールなコメディが笑える。映画の真似事のようなぎこちないハイジャック劇。二人に車を奪われた老夫婦。パトカーのガソスタ行列。簡易トイレのくだり。

後半のカークラッシュや銃撃戦は、想像以上に豪快なエンタメ演出がなされている。特に、テレビ局の車が川に落ちるシーンが凄かった。スタントマンお見事。あの映像は何テイク目で撮れたのだろうか。

パトカーの大行列が壮観だった。二人の少年が「88, 89...」と数える姿が印象的だった。

カーアクションを車内から撮影、リアウィンドウ越しの追跡車、坂の下からパトカーがぬっと現れる、ガラスに映るアニメと顔のオーバーラップ。

世間を騒がせている逃走者を発見し、ここぞとばかりに銃をぶっ放すイカれた三人組。アイツラ何者だったんだ?

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