続・激突!/カージャックの作品情報・感想・評価

「続・激突!/カージャック」に投稿された感想・評価

春21号

春21号の感想・評価

4.3
世界一間抜けで切ないカージャック

アメリカンニューシネマの系譜にある映画だった。
前科者の妻と服役中の夫が里親に引き取られてしまった自分達の子供を誘拐しようとする話
2人は警官を脅しそのまま警官ごとパトカーを強奪して子供のところまで行こうとするが…

まさかの開けてびっくりコメディだった。
ダメ夫とそれを引っ張る男前妻のやりとりが最高な前半から、警察を巻き込んでの珍道中へとなだれ込む中盤、そして静かな後半へ…
最後はニューシネマ的であり、スピルバーグがその後繰り返し用いる"ダメ男の最後の輝き"だった。
僕がこの映画が好きなのはこの部分にあって、と言うかスピルバーグ映画の好きな理由がまさにこの部分で本作はその原点であったとおもう。

僕は犯人の夫が誘拐した警官に
俺も警官になろうかな?というシーンが1番ジーンと来てしまった。
やり直したかったんだなぁ

スピルバーグの静かな傑作だと思う。
タイトルで敬遠している人は是非
全然続じゃない。超期待ハズレ。ゴールディ・ホーンかっわええ!
キンジ

キンジの感想・評価

4.6
善悪の境界が曖昧になっていくあの感覚。
そして、待ち受けるあの切ないラスト。
これこそ映画的体験だと思う。

なんとしても子どもを取り戻すという信念は狂気でもあるのだけれど、それを私たちは「治安を乱す」というただ一点をもって断罪できるのか。

スピルバーグはあんな風に両親から愛されたかったんじゃないかなと思う。
それを考えるとまた切ない。
あやと

あやとの感想・評価

1.7
スピルバーグ劇場映画デビュー作 子供に会いに行くために脱獄した夫とその妻がパトカーを乗っ取り警官を人質にして進行するロードムービー 俺たちに明日はない バニシングポイント ダーティーメリークレイジーラリーなど思い出しますが こちらはキレがなくのんびりしてる ラストも今ひとつ盛り上がらず
JNkt

JNktの感想・評価

4.0
映画のなかの行き当たりばったりな人見るの大好き。羨ましいのかも。切ないラストですがコメディ色強めで楽しいです。
BSプレミアム、字幕版にて初鑑賞。
主役の二人が最後までクズすぎて堪らない。適度に挟まれるあからさまなコメディシーケンス、無慈悲な長回しアクション、極限までのリアリズムなど後の作品に通じるものを感じた。
pika

pikaの感想・評価

5.0
「激突」の続編みたいな題名で全く関係ないっていう噂は聞いてて、そんな扱いの初期作か、なんてあんまり見る気が湧かない作品だったんだけど超傑作ではないですか!!めちゃくちゃ面白かった!
クライムロードムービーを軸にコミカルでスリリングでカーアクションからガンアクションまで色とりどりなジャンルのごった煮映画!こういうの弱い。超最高!

お決まりな感じで置いてかれる老夫婦やゾロゾロついてくるパトカーとその顛末、ガソリン泥棒のシークエンスなどいちいちシュールなプークスクスカットを入れてくるのがマジスピルバーグ!笑

ストーリー的には緊迫感のあるドラマなのにキャラも音楽も演出もほのぼのしていてニヤニヤと和むし、マスコミや町の人々の描写なんかも今では失われた近さっつーか、お茶の間がダイレクトに面と向かう感じがあって今見ると逆に新鮮。
夫婦のキャラや警部の人間臭さなどの暗示させる演出なんかも抜かりなく見事だが、一番は人質に取られた警官のキャラ!彼の心理変化とドラマ展開の温度差が映画の醍醐味たる感情に直結していて、後半からガラリと雰囲気が変わっていく様などジャンルのごった煮ってだけでなく細部まできめ細やかな構成が凄い。

急な振り切り方とか観客の意表を突くための意図的な演出にも見えるけど、史実っていう面やジャンル的にアメリカン・ニューシネマな系譜であることから気にならず受け入れられるし、嫌味なく人間を肯定する姿勢と言うのか、多角的ではないとは言え娯楽作として充分なクオリティを保ちながら、一括りにされがちな肩書きを持つ人々の見えにくい一面を浮き上がらせるにはこの上なく素晴らしいものであったなと感動した。

昨夜見て今日1日運転しながら警官と夫婦のやり取りを思い出したりして、、、余韻凄いっす!
スピルバーグの劇場映画デビュー作品ながら、さすがメチャクチャ面白い。
テンポの良いストーリー、凝った演出、ウィットに富んだ台詞と、どこをとっても素晴らしい。
後半の微笑ましくも切ない雰囲気も良い。
完璧な娯楽映画。
【ニューシネマの中に宿る信念】
スピルバーグ作品の中で唯一のニューシネマと言えるのではないか。
70年代に商業映画デビューはしているが「激突!」に「ジョーズ」に「未知との遭遇」にと明らかにニューシネマとは隔たりのある娯楽作品を作り続けてきた彼にとって、「警官相手に絶望的な逃避行」というあらすじの作品はかなり異色に感じられる。
しかしそんな本作も所謂ニューシネマの型には収まりきらない独特の魅力がある。

まず第一に本作はコメディだ。
前半のカーチェイスやトイレのエピソードなどは抱腹絶倒である。
勿論そんな笑える場面の中でも、主人公たちはおどけた表情を見せることもなく必死に状況の打開を試みる。
しかし、彼らが必死であればある
ほど客観的に映画を見ている観客は笑いに誘われるのだ。
本作がそのことを正しく理解している証拠に、時折混じる「第三者の視点」が事態のおかしさを際立たせる作りになっている点が挙げられる。
例えば前半のカーチェイスでは、車を盗まれる夫婦やパトカーに乗り合わせた老人の呆れた態度が効いている。

そういったコミカルな効果を除いたとしてもスピルバーグの人間描写の深さ、秀逸さには眼を見張るものがある。
この若さでここまで深い洞察力を持ち合わせているとはやはり彼は只者ではない。
例えば従来のニューシネマならただの悪役として描写されがちであろう、里親夫婦にもしっかりとした厚みのあるキャラクターとして描かれる。
主人公夫婦とは明らかに富んでいて上品な夫婦だが、だからといって嫌味な人間達とはとても思えない。
ニューシネマをやりつつ決して「若者の反抗」だけの物語にしない所に、スピルバーグの大衆性がうかがえる。
勿論主人公達を追い詰めていく警官も同様だ。
印象的なのは、タナー警部とポプリン夫婦が始めて車のリアガラス越しに視線を交わすシーン。
タナーの乗る車のバックミラーに映るタナーの微笑みと、
夫婦の乗るパトカーのリアガラスに映るルージーンの微笑みを同一ショットに捉える撮影も見事だし、この二者の間の奇妙な連帯感も感じられる。
そして、この一連の出来事をバックミラーを通して傍観するスライドの視線も描くことで、スライドとタナーという師弟関係の物語も匂わせるのだ。
ラストでそれがはっきりと示されるがこの時点で既に伏線を張る脚本の巧さも感じられる。
伏線といえば、オープニングのトイレでの主人公二人の乱暴なキスシーンから中盤のキャンピングカーでの幸せなひと時への変容も見事だ。
またここでスライドとクロヴィスがする会話から浮かび上がる両者の溝も、全てが終わりどうしようもなくなった終盤で必死にクロヴィスを介抱するスライドを描くことで回収していく。ここも切ないながら上手い!

そういった脚本の妙もそうだが、ヴィルモスジグモンドのダイナミックな撮影やジョンウィリアムズのカントリー調に少しモダンな味付けをした音楽も忘れがたい。
ちなみにスピルバーグ×ジグモンド×ウィリアムズタッグは、後の「未知との遭遇」で遂に凄まじい迫力に到達する。

ということで、結論を言えば「スピルバーグは何をやっても凄かった」という月並みな表現になってしまうが、このおかしなニューシネマにもスピルバーグはしっかりと「スピルバーグ印」を刻印している(彼は脚本を担当していないが、本作は紛れもなく彼の映画だ)。
それは「守るべきもの」についての物語だ。
「子供を取り返す」というストーリーが、これ以上ないほど分かりやすくそのテーマを語るが、本作はタナーとスライドという二者にもそのテーマを込めている。
先述したミラー越しのショットとタナー警部がヴィジランテ集団に激怒するシーンが、ラストで回収されることでテーマが浮き彫りになる。
手段は誤ったが目的は子供を取り返そうとしただけの若夫婦の破滅を通して本作は実にニューシネマらしい「挫折」を描く。
しかし、その直後でタナーがスライドにするあるアクション、
そしてラストの字幕を見てほしい。
この理不尽な世界に対して「警官」は何ができるのか、何をすべきなのか。
タナーがニューシネマなんか生まれる前からずっと守り続けてきたその信念は、スライドへと着実に「継承」されいくのだ。
1993年8月7日、鑑賞。

有名な傑作「激突」がテレビムービーなので、この「続・激突/カージャック」がスピルバーグ監督の映画デビュー作。

この映画、「激突」を観た後から見たかったのだが、なかなか観られず、ようやく観れたと思ったら、酷い出来であった。
しかも、「続・激突」という邦題がついているのに、全然、「激突の続編ではない」。
男女2人の逃避行を警官がゾロゾロと追いかけるという締まりのない映画だった。

ただ、ゴールディ・ホーンが可愛くて、最高であった。
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