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デザート・フラワーのriceのネタバレレビュー・内容・結末

デザート・フラワー(2009年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

前知識がほぼ無い状態での視聴で、驚きの連続でした。
ワリスは本当に美しい。
ワリスの美しさはまさに砂漠の花ですね。強さと気高さ、そして勇気を兼ね備えている。

(以下、感想が長くなりました…)

血を流し、自らを犠牲にし、長い長い旅の末やっとこの映画が作られたんですねぇ…こんなに苦しみが伝わってくる映画も珍しい。
けど不思議と最後まで観たくなったのは、映画の脚本が素晴らしいこととワリスたちの可愛らしさのおかげと言うべきか…
シリアスな中にも楽しさや希望が垣間見えるので、とても良かった(特にマリリン!好きです!!)

女性器切除というあまりにも痛々しい慣習が今もなお同じ時間に同じ地球で続いていることの残酷さ。信じられない…
私自身同じ女なこともあり、排泄や生理から始まり様々な場面で彼女たちが想像を絶する苦しみを耐え忍んでいるのだと思うと涙が止まりません。
身体的にも精神的にも、まさに想像を絶する苦痛。無事に生き延び、ロンドンへ渡ったワリスのなんと幸運なことか。
世界中にワリスの訴えが伝わって欲しいものです。

映画としての仕上がりもとても美しいですね。
サクセスストーリーとしての大筋を支えるのは社会への問題提起。
ただのサクセスストーリーで終わることなく、インタビューから映し出される割礼のシーンで、直視したくない…けれど今、しっかりと目に焼き付けねばならない…そんな現実を突きつけられるインパクト。あの女の子の泣き声が頭から離れません…………。

周囲の人々の描写も丁寧で、説得力がありますね。マリリンがあまりに親切で驚きましたが…ワリスと名コンビだと思いました。モデルになった人物は本当にみんな実在するのかな?気になります。



ワリスの活動が実を結び、FGMの歴史が途絶えることを願います。
観て良かった。
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