西東京

無法の王者ジェシイ・ジェイムスの西東京のレビュー・感想・評価

4.2
何度も映像化され、誰でもその結末を知っているジェシー・ジェームズの物語が回想形式で描かれるため、ただでさえ先の分かる暗い物語が念押しの二重になってより湿っぽい死の空気が全編纏う。撃たれた直後、死んだばかりなのにジェシー・ジェームズが歌になって映画が終わるが、その早急に語り継がれていく感じは死がフライング気味に、ジェシー・ジェームズをロビンフッド的に応援している市民からも望まれていたかのよう。敵味方どちらの大衆からも死が待ち望まれるのは西部のヒーローの宿命である。
馬ごと崖から落ちたり、列車の上を走る場面はまんまヘンリー・キングの『地獄への道』。でも列車の場面はニコラス・レイの青が効いていて素晴らしい。次々と街から出る道を塞がれ、兄弟が社会から居場所がなっていくことが端的に示される銃撃戦もかっこいい。
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