特筆すべきはユダヤ人の迫害を取り上げた映画であるにも関わらず、その系統の映画によく感じられる陰鬱で凄惨な雰囲気がほとんどないことである。
イタリアの作品であり、なかなかとりあげられることのない、ユダヤ系イタリア人の迫害が描かれている。
これは記録ではなく、迫害の記憶のための映画ですらない。この物語の主題は、あくまで「Life is beautiful」なのである。
全体的にイタリアンジョークが散りばめられており、かえってそれがこの物語の悲しさを際立たせている。
脚本的には難しいだろうが、欲を言えば主人公とその妻の愛をもっと表現して欲しかったというのは1つ感じたことである。
ひとりで見ながら号泣した作品。