藤沢周平の短編小説を映画化したヒューマン時代劇。
江戸時代の地方の海坂藩が舞台。
磯村野江は夫を亡くし、別の家に再び嫁いでいたが、夫には愛情を抱くことはできず、辛い日々を送っていた。
野江は久しぶりの外出で叔母の墓参りの帰途に、花が咲いた山桜の枝を取ろうとしてた。
そこにかつて縁談の話があった手塚弥一郎がたまたま通りかかり、桜の枝を取ってくれ、初めて言葉を交わした。
「今はお幸せで御座ろうな」
そのころ藩では凶作が続き、小作人たちは重税と食糧難で喘いでいた。
参勤交代による藩主不在の折に実権を握った重臣が、私利のために小作人に更なる負担を強いる制度改革をすすめようとしていたが.......
桜の紋付の実直な手塚と、桜の花びら模様の着物を着た一途な野江の純愛物語。
果たして二人の恋の行方は?
ラストは良くも悪くも複雑な気持ちです。
自然と涙が溢れるエンディングでした。
しみじみとした良作です。
BS TVで鑑賞