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ゼイリブのSSDDのレビュー・感想・評価

ゼイリブ(1988年製作の映画)
4.0
■概要
貧富の差が激しく失業者は増える中、流れ者の男は肉体労働で日銭を稼ぎ、教会に身を寄せるが、唯一の娯楽のテレビではときおり電波ジャックが起こり、"彼らによる洗脳を受け物質主義の奴隷とされている"と訴える。ある時教会にある段ボールからサングラスを見つけて驚愕の事実を目にする…。

■感想(ネタバレなし)
ダリオ・アルジェントのダークグラスのジャケットが本作をオマージュしている。
懐かしくなったので再視聴。

カルト的な人気のある本作、ゲームやメディアでミームとして使われたりし、後の映像作品にも大きく影響を与えたであろうジョン・カーペンターの中でも最も代表的な作品。

メディアでしきりに物欲を駆り立てるように訴求し、消費し経済を回させ、子供を作りという社会的な幸せのサイクルを定義し操作されているという現代にも通じる社会性に対して社会風刺として描く。
ディストピアとしての世界観、消費者として隷属される側、支配側など独特な作品であり名作と言える。

1988年と古い作品だがカルト的な人気を博すのが今でも納得な作品なので未視聴の方には是非勧めたい作品。

ジャンルとしてはSFアクションなのだが、昔観た記憶ではスリラーだったようなと思って見直すと結構しっかりアクションが楽しめる。












■感想(ネタバレあり)
・異星人の戦略
サングラスをかければ信号を消せ、異星人や、テレビで流されるサブリミナル効果のメッセージ、監視飛行物が見えるようになるというアイディアも素晴らしいし、異星人の滑稽で不気味な姿も、皮肉が効いている。

広告や看板など至る所には"従え"、"眠れ"、"子供を作れ"、'考えるな"、"消費しろ"と直接的なメッセージがサブリミナル効果を生むように作られているのをサングラス越しに見た光景は圧巻だし、なんとも不気味だ。

・総評
ラストで破壊されたアンテナから信号が消えて、全てのジャミングが消えた後の映像が笑える。
他人に寄り添えず無関心になり自己中心的で物質主義になっていくことで支配されているというメッセージ性はやはり強烈。

ヒロインと思って観ているとツイストで裏切られるのも、主人公側の反体制側が全員死んで目的だけは果たせ、世界にその事実を暴けたラストはハッピーエンドなのだろうか。
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