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シビル・アクションのshigatakeshiのレビュー・感想・評価

シビル・アクション(1999年製作の映画)
3.8
タイトルの「シビル・アクション」は、民事訴訟のこと。同じ裁判もので、同じく環境問題を扱った作品「エリン・ブロコビッチ」の爽快な主人公の快進撃とは真逆の裁判を取り巻くビジネスというか金儲けの実情と、そこに対峙することを決意した弁護士の話。

劇中でも何回も語られるが、弁護士からみるビジネスモデルは、裁判に持ち込む前の示談の額から、成功報酬が払われる仕組み。大きな案件や長引くケースをひきうければ、持ち出しのお金が多すぎて、赤字になるか自己破産のシナリオ。劇中の零細弁護士事務所も例外なく、この道のりをたどり破産させられる。

劇中でもセリフとして登場するが、「愚かなものだけが裁判に固執する。事件の訴訟より自分の誇りのために固執する」正直ものがバカを見るパターンいうか、仕事と感情を混同させた甘ちゃんの負けというゲーム。

裁判に持ち込んで真実をしりたい原告側と、できればそれを避けたい弁護士たちの良心の葛藤と、裁判をとりまくビジネス環境が弁護士を容赦なく追い込んでいく姿が、アメリカにおける真実のありかたを浮き彫りにさせる。

んでもって、日本もこうならきゃいいなと、平和ボケ(?)の観客がここにひとり。

あと、トラボルタ、すべてを失っていく中年弁護士役、見事に演じてます。ラストシーンなんか、セリフないけど、いい顔してる。
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