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風と樹と空とのtunicのレビュー・感想・評価

風と樹と空と(1964年製作の映画)
4.5
金の卵版「光る海」か。何度となくみているけどこっちも大好き。空気すぎて和田浩治が出ていることはすっかり忘れてた。上野着いてすぐ精養軒でご馳走したり、お休みの日にはお小遣いくれたりと、お手伝いさんに対してやたら気前良い永井智雄一家。高橋とよが自分のお別れ会で、息子よりも嫁のほうが仲が良くて云々言うのはもしかして悲しい嘘なのではと疑ってしまった。私だったら死ぬまで居座る。毎月一度は集まろうって言ってた仲間たちも、時が経つうちに一人欠け二人欠け、結局はたった一人で東京でふんばって生きていくしかない。オラには東京は合わねえつって、見送る者もおらず田舎へ帰る浜やん。荒木一郎たちの草野球チームで空振り三振してダメだこりゃの小百合。明るいけどちょいとビターなラストがいい。石坂洋次郎原作の脚本は日活では池田一朗が担当なのかと思っていたけど、本作は三木克己(井手俊郎)。だから何って話だけど東宝の石坂洋次郎ものと見比べるのも楽しいかも。杉葉子と小百合のキャラクターの違いとか。とりあえず日活は隙あらばタイアップ紛れ込ませてくることだけはわかる。
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