フォルスタッフ

デモリションマンのフォルスタッフのレビュー・感想・評価

デモリションマン(1993年製作の映画)
4.9
マジのガチの名作B級アクション映画で、まず大体の視聴者は木曜洋画劇場で視聴をしており、そしてどっかのタイミングでふと思うのだ。
「あの映画のタイトルなんだっけ?」
「SFで、アクションで、古い映画で、木曜洋画劇場でよく流れてて……」
多分『シックス・デイ』か『タイム・シーカー』か『トータル・リコール』か『ターミネーター2』か『デモリションマン』だと思うのだが、これはそれぞれ
「アーノルドが出てくるけど溶鉱炉には落ちない。人造人間」
→『シックス・デイ』
「有名な俳優は出てこないけどやたら印象に残る時間操作もの」
→『タイム・シーカー』
「火星でアーノルドの目玉が吹っ飛びそうになる」
→『トータル・リコール』
「アーノルドが溶鉱炉に落ちる」
→『ターミネーター2』
「やたら凝ったSF設定で、地下世界があって、ヤバい黒人が出てくる」
→そう、これこそが『デモリションマン』である。
一応、大穴として『ラスト・アクション・ヒーロー』や『ジャッジ・ドレッド』辺りもあるし、多分『ザ・ワン』辺りも出てくると思うのだが、凡そさっきの分類で当たっていると思うから、SFアクションを思い出せずにウンウン唸っている人は参考にして欲しい。
さて、本題に入る。
あらすじをイチイチ説明する愚を犯そうとは思わない。オルダス・ハクスリーの小説『すばらしい新世界』をオマージュしつつ練りに練られた古臭くないSF設定に予算がかかったよく出来た舞台装置に古臭い映像、今や政治的問題からまず絶対に出てこないであろう殺人しまくるヤバい黒人の悪役、そんだけ練りに練られた設定と背景を持つ癖に最後はヤバい黒人とシルベスター・スタローンが大アクションシーンを展開して終わる大味っぷり……どこを切り取っても面白い映画だが、そうした”だめそさ”も含めて映画を愛せる人間になって欲しいと、私は勝手に皆様に期待をしたい。