じしゃく

キングダム・オブ・ヘブンのじしゃくのネタバレレビュー・内容・結末

キングダム・オブ・ヘブン(2005年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

12世紀、第3回十字軍のちょっと前ぐらいに、イケメンの鍛冶屋が十字軍になって平和のために頑張る話でした。十字軍の話ってだけで敬遠してる人多そう…確かに時代背景は勿論宗教の話も入ってくるし実際難しいからしょうがないのかな…私も全て解っていると自信を持って言えない!

アメリカの映画にしてはあからさまに「キリスト最高ー!イスラムは駄目ー!」ってならないのがとてもいい。両宗教について作中でもバランス良く触れて、共存の道を望む考え方を提示し、宗教や信仰に固執せず、自らの大義を貫こうと動く主人公がかなりカッコいい。あと映像も綺麗だしアクションシーンも迫力があって良かった!そして地味にBGMがいい…
主人公が王位継承者にならなかった理由はきっと主人公やお父さんが描いていた「キングダム・オブ・ヘブン」とエルサレムが結びつかなかったからなんじゃないかなぁと思ってみたり。元々イスラムの土地だったエルサレムをずっとキリスト教の支配下に置けば結局はイスラムとの争いが起こると考えたんじゃないかと…これ以上は世界史の話になってしまうので割愛!
最後出てきたのはやっぱりリチャード1世なんだろうなー、これから第3回十字軍はーじまーるよー!とか、(十字軍の)戦いはこれからも続く!っていうことを言いたかったんだろうなー…私たちのご先祖様の流した血が今に繋がっていると思うと、色んな気持ちが渦巻く…

オーランド・ブルーム演じる主人公・バリアンが前述したとおりカッコいいんだけどどうも完璧人間すぎて、物語に深さが出なかったかなとも思う。これが「同じリドリー・スコットの歴史大作でも『グラディエーター』より面白くはないかも…」と思ってしまった理由。「グラディエーター」は主人公が苦悩する姿があったけど、バリアンは妻が自殺した苦悩も序盤でさっさと消え、指導者としても理想像にぴったり当てはまるというチート級のキャラクターだったので、彼の成長やら葛藤やらがあれば単なるスペクタクルムービーじゃなくてもっと物語に面白味があったんじゃないかな…
というかお前ホントに元鍛冶屋かよ!ってぐらい強かったんですけど…ちょっとパパに剣の稽古つけて貰っただけで普通あんなに強くなるか…?兵法もいつ勉強したの?

最初の方はオーランド・ブルームカッコいいよ~~美しすぎるでしょ~~って言ってたんだけど見終わった後はボードワン4世役のエドワード・ノートンの演技に心奪われている、そんな映画でもありました。