Omizu

ある愛の詩のOmizuのレビュー・感想・評価

ある愛の詩(1970年製作の映画)
1.9
【第43回アカデミー賞 作曲賞受賞】
小説と映画が同時進行でつくられ日本でも大ヒットした難病映画。ゴールデングローブ賞ではドラマ部門作品賞など5部門を独占、アカデミー賞では作品賞など7部門にノミネートされ作曲賞を受賞した。

合わないだろうなと思っていたら案の定合わなかった。何がそんなに受けたのか全く分からない。

アーサー・ヒラーの流麗で端正な演出はいいと思う。撮影もロケーション含めよかった。

ただ主人公たちに全く魅力を感じなかった。ヒロインについて途中でトミー・リー・ジョーンズ演じるオリバーの親友が「細君は天使だし」ってひがむシーンがあるけど、申し訳ないけど「どこが・・・?」となった。どちらかというとクセが強いタイプじゃないか?オリバーも金持ちボンボンで、最後までプライドが高くて意地っ張りなだけにしか思えず。

そもそもオリバーが父親にあんなに反発する理由が分からない。いい人じゃない?息子の試合見に来てくれるし訳も聞かずお金も貸してくれるし。家名が重い云々は父親の責任じゃないよね。

有名な「愛とは決して後悔しないこと」というセリフもどうなんだ。あの年代の若者が言うセリフとは思えない。いかにもとってつけたようなセリフでクサいなとしか。

演出はまあいいと思うんだけど、ちょいちょい雑なところがあるのが気になった。特に後半。ジェニーが白血病だと知るところからはしれっと入院して、そしてしれっと亡くなっている。こんなにすっ飛ばす必要ある?

これにヒントを得て角川のメディアミックスが始まった(『日本沈没』『HOUSE』など)という逸話もきな臭い。時代ですねという作品。
Omizu

Omizu