むるむる

プラダを着た悪魔のむるむるのネタバレレビュー・内容・結末

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

定期的に見ては、好きなようなそうでもないような…という複雑な気持ちになる作品。ダサ女子が洗練されていく、上司の無理難題に打ち勝つ的な意味で王道の面白さはあるのだが、この作品が示したかったことは何かとかを考えるとなんだか素直に受け入れがたさもある。

後になって知ったことだが、元々本作は完全悪役な上司を打ち負かす、ざまあ勝ち上がり的な筋で考えられていたところを、メリル・ストリープが「ただの悪役では深みがない」と脚色を願い出たというものらしく(雑な要約なので、ニュアンスが違ったらすみません)、そういう意味で私にとって好みな要素と相反する要素が混じり合っているのかなと思う。
個人的に好きだったセルリアンブルーの話、最後に化粧を落とした姿で弱々しく語るミランダのシーンはメリル・ストリープ脚色部分らしい。ドンピシャで納得。

あとは私個人の価値観が初期のアンドレア寄りでファッション業界の感じがしっくりこないこと、結局女がプライベートを捨てて働くことに対してなんだか否定的?と感じられるのが気になること、ヨリを戻す男性がそれほど大事な存在に見えないことなどところどころモヤッとするとこがあり、素直に好きとは言えない作品となった。

しかし興味のない、その場しのぎで家賃稼ぎの仕事でも、自ら踏み込んだ以上は真剣に取り組まねばならないという仕事への姿勢を考える物語としてはかなり好きな作品。やはりセルリアンブルーのシーンが好き。