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プラダを着た悪魔の鑑賞者のネタバレレビュー・内容・結末

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

初っ端からこんなに心を掴まれたのは久しぶり。「Suddenly I See」が合いすぎ。神オープニングですわ。

もちろんお二人の演技は素晴らしいんだけど、個人的にはエミリー・ブラントがMVP。こんな役もできるのか……。彼女の作品漁ってみるか。

誰しもアンドレアと同じ轍を踏んだことがあるんじゃなかろうか。何か別の目的のために本当に大切なことを見失ってしまう。アンドレアはそれに気づけて良かったよ。夢を追うって難しいね。

これもやっぱりフェミニズムなんかな。もちろん具体的な台詞の次元でもそうなんだけど、特に女性陣の関係性が。自己実現に妥協しない一方で、最終的にはお互いを応援し合う関係性に、フェミニズム的な“連帯”が見えた。
でももしそうだとしたら問題がある。途中のミランダ&アンドレアの関係性はド典型のパワハラ。あらゆる支配関係に対抗するのが本義のフェミニズムであるはずなのに。
うーん、フェミニズムで読み解くのは厳しいか。
“選択”という実存的概念が強調されてたので、そっち方向なら筋通せそう。すべては自分の意味づけ・選択である。夢を抱くも、諦めるも、人を蹴落とすも、助けるも。すべて自分の自由で決断するのだから、すべては自分の“責任”である。この責任の重さは社会的な地位とは無関係である。超一流雑誌の編集長なんかでなくともね。
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