Demetrious

プラダを着た悪魔のDemetriousのレビュー・感想・評価

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
3.8
これはこれは…
この手の映画は殆ど見ないのだが、なんとなく見てみたらなかなか深い…
最後まで夢中で見てしまった

主人公アンドレアはアッパークラスの仕事に就くが彼らが当たり前のようにしている外見を高める日々の研鑽をまったくしていない

なのでかなり場違いなのだが、これは仕事に対する信念の相違でアンドレアは彼らの日々の研鑽における外見にまったく重きを置いていない
中身のみで勝負できると信じているからだ

逆に彼らは外見にこそ日々の研鑽が現れると考える
つまり外見も仕立てられない人間に仕事が出来る筈ないと

しかし実はアンドレアは中身も研鑽されていないことが露呈する
そんな自分を同僚の言葉で理解したアンドレアは本人の才もあり、次第に洗練されていく

映画のラストになるとある件をきっかけにアンドレアはボスのミランダと決別する
これは生き方への信念の違いによるものなのでどちらが間違っていて、どちらが正しいということではない

自分はこの映画のテーマはここにあると考えた

信念は違うから同じ道は歩かないけど、信念に基づき生きる他者をお互いが認め合うという
最後、街を悠々閑々と歩くアンドレアは以前のような外見に戻ってはいるものの、彼女のその内面はまったく別の物になっている
それをミランダも分かっているから最後のあの微笑みなのだ
Demetrious

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