ヴぇる

プラダを着た悪魔のヴぇるのレビュー・感想・評価

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
3.0
コメディ作品として女性に圧倒的人気を誇り、興行収入では制作費に対し約10倍の金額を稼ぎ出した映画だ。

内容としては本当にお決まりな設定の仕方で正直古臭さを感じた。所謂リッチな状況に1人の普通な女性が現れ何故か彼女は採用され活躍し、そこから挫折や苦労を重ね何かを得る。このプロットは「世界一キライなあなたに」でもアレンジして使われており、こういう設定は何年かのスパンでヒットするのだろう。個人的には目新しさはないし、アカデミーでメリル以外触られなかったのは当然だろう。

仕事で上司の愚痴の件で意識が変わったのはいいが、結局状況に飲まれて行っただけであり、彼女の個性は消失。採用理由を説明してくれていたはずなのにそれを生かせない。
全体的に今作品はその傾向が強く、その場その場では惹き付けられる要素はあるのに、次のシーンではそれらを生かせない。

こういう作品がただのコメディとして終わるか、全ての人に受け入れられるかはメッセージ性があるラストを持ってこれるかだと思うが、特に心を打つ訳でもなく、中途半端だ。悪人にもなれず、かと言って善人にもなれない。

総評としては、女性が主役で、人物、街並み、ファッションさえ美しく映えていればどんなに脚本がどこかで見た設定のオンパレードだろうとヒットするという事を証明してくれた作品だ。雰囲気に流されたい人にはオススメしたい。
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