監督デビュー作「十二人の怒れる男」（1957）が大成功となったシドニー・ルメットの３作目。戦時下のメロドラマ。日本では1964年にATG配給で公開。

1944年、第2次世界大戦末期。マイアミから故郷ニューヨークに向かう列車に乗り込んだアメリカ兵のレッドとケリーは、車中でケイ（ソフィア・ローレン）とジェーンに出会う。レッドはケイに一目惚れするが、実は彼女は実業界の大物に囲われている身だった。イタリア移民で厳しい道をくぐりぬけ贅沢な暮らしを手に入れたケイだったが、レッドの純粋な愛に揺れ動く。。。

心情描写が丁寧でわかりやすいメロドラマ。ソフィア・ローレン（当時25歳）が“囲われ女”という綺麗どころの役柄で、これまで観てきた中では最も美のオーラを放っていた。スコアをその分加点しておく。

※本作の翌年、ソフィア・ローレンは「ふたりの女」でアカデミー賞、カンヌ映画祭をはじめ主演女優賞を総なめにする。

N座にて。ローレンはこのとき24歳。眼福。カメラはボリス・カウフマン。なるほど昼間でも夜でも濡れた路面を映し出す美学ね。