集中力を欠いてるのか、前作の「ワールド・イズ・ノット・イナフ」をすっ飛ばして観てしまった。
…まぁ、一番最初に観たのが「スカイフォール」だし、必ずしも順番通りに観てきたわけではないので、そこまで固執することもないのだが、なんだか気持ち悪い。
そして、本シリーズの特徴として、基本的には観た瞬間からどんなストーリーだったのかを忘れてしまうというのがある。
これまでの各作品も観た記憶と記録はあるが、どの作品のどのエピソードで、誰が出てきて、どんなシーンだったのかを記憶と情報を紐づけて語ることが僕はできない。
本作を観るのは初めてなのだが、それでも冒頭のアバンタイトルは既視感ありあり。
「これ観たかもなぁ…いや、初めてのはずだ」という感情でいっぱいになる。
ジェームズ・ボンドを演じるピアース・ブロスナンもなんだか急に老けたなぁとか…(一作飛ばしたので当然なのだが)、余計なことを考えていたのでアバンタイトルから見失ってしまう。
シリーズの醍醐味であるオープニングも、マドンナによる主題歌も全く作品に合ってないし、映像もしっくりこない。
今回は冒頭で敵地に身柄を拘束、からの拷問。黙秘を貫き人質交換で釈放されるも、自白を疑われ罷免の上、逃走。
滞在先のキューバでは、壮大なケレンでボンドガールのジンクス(ハル・ベリー)との相変わらずの「アバンチュール」なシーンと忙しい。
今回の敵となるグレーブス(トビー・スティーブンス)が怪しいと突き止めたら、MI6から離脱して孤立無援の調査を始めたと思ったら再び呼び戻される。
と。なんとなくストーリーが理解しづらいのは、ひとつの場所を行きつ戻りつしたりが本作に限らず多く、今追いかけているのか逃げているのかが、目まぐるしく追いつけないというのは、いつものことながらストレスを感じる。
気になるスパイガジェットも、透明になるアストン・マーチンもイマイチ活躍しているのかしていないのかわからない。
良いところと言えばハル・ベリーもそうだし、ミランダ(ロザムンド・パイク)の女優陣の見目麗しさが際立っているのと、個人的にはジンクスの上司として後半から登場するファルコ役のマイケル・マドセンに、一番の「色気」を感じで魅力的だった。
今回も「相変わらず」だし、出来が良いともあまり思えないし、僕としてはシンプルに面白いとは思えなかったが、それでも嫌いにはけっしてなれないし、ならないシリーズ。