さすらいの旅人

皆殺し無頼のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

皆殺し無頼(1966年製作の映画)
3.2
主題歌がご機嫌な王道マカロニウエスタン。
【CATV/WOWOWプラス/オンデマンド配信/ビスタサイズ】

最初、観る予定が無かったが昔聞いたご機嫌な主題歌を思い出し鑑賞。
久しぶりのマカロニウエスタンだ。
主題歌は昔のマカロニ音楽集CDに必ず入っている名曲で、低音のボーカルから始まりコーラスへと進む曲は一度聴いたら忘れられない。

主役のマーク・ダモンは全く知らない。マカロニと言えばクリント・イースドウッドやジュリアーノ・ジェンマ、フランコ・ネロが有名である。彼は胸毛モジャモジャでニヒルなアメリカ人と言う感じで、従来の哀愁を帯びた主役とは異なる。
敵は叔父殺しに加担した叔父の妻やその兄。そして、周囲の殺し屋たちとなる。ラストの白い石壁の集落での決闘は「夕陽のガンマン」を思い出す。

酒場での乱闘、主役を尊敬する明るい相棒、撃たれて屋根から落ちる悪党、色っぽくてセクシーな悪女などマカロニあるあるは健在だ。マカロニ量産時代の映画であるが、ツボは押さえていたのが好印象。ただ、突っ込みどころ満載のストーリーと魅力のないキャラ役者が多く、音楽以外は普通の出来だと思う。

ラストの悪女の殺し方が非常にユニークだ。普通であれば、拳銃でズドンであるが、本作はある事がきっかけで死ぬことになる。観てみるとすぐ納得できるが、そのアイデアは秀逸であった。