エリ・エリ・レマ・サバクタニの西東京のレビュー・感想・評価

蔓延する疫病はフィルムの色として映画を覆い、その中で視覚化される音楽。コンクレートノイズを作っていくプロセスがたまらん。崩壊する世界から集めた欠片と、電子の粒が重層的に鳴るノイズは美しく、それは世界のカオスそのものの音。聴き手によって変わる開かれた音楽だから結果的に誰かの為になるにせよ、資本家に回収させない意志はアヴァンギャルドどころか全アーティストの正しい姿勢だと思う。中原昌也の「死ね」は笑った。