このレビューはネタバレを含みます
三船敏郎のかもし出す粗野さが溢れ出てる松五郎。比較して見ると、阪妻さんはけっこう上品だったんだなーと思う。
私は阪妻版のほうが好き。洗練されてるように感じる。それが監督の本意でないにしろ……。
ラストシーン、阪妻版よりも苦味が増している。
「俺の心は汚い」
未亡人に想いを明かしたにも等しい絞り出すような言葉と、雪の中を独り好きだった小学校まで歩く足取り。
松の亡骸(映されない)を前に泣き崩れる未亡人。
ビールの広告にサブリミナルのように未亡人が重なるショットもあり、松の未亡人への悲恋が強調されている。
そんな『シャイニング』みたいな死に方……。