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太陽のメグのレビュー・感想・評価

太陽(2005年製作の映画)
4.3
終戦前後という時期を選んだ瞬間に、政局や戦局がメインになる映画が多い中、天皇という政局戦局ど真ん中の人を扱いながら、極力そういった要素を排し、天皇を1人の人間として、その喜怒哀楽を追うことに専念しているのが、とても良かった。

だからこそ、マッカーサーとの対話で国としての重要な判断を投げかけられ、それに答えを出す天皇に涙が止まらなくなる。

もし、自分が日本国のトップで、しかも神と扱われたらどんな行動がとれただろうか…などと考えても非現実過ぎて想像もできないが、ここに出てくる天皇には無性に感情移入できてしまう。

考えられない程の孤独の中での皇后様と関係性も、微笑ましく見ながら同時に切なくて泣ける。

時々、この役はこの人にしかできないということがありますが、このイッセー尾形はまさにそれ。
喋り方、立ち居振る舞い、素晴らしかった!

東京大空襲の画作りも素晴らしかったな。

日本では撮りたくても撮れなかったであろう映画をベストキャスティングで撮ってくれたことに感謝。
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