戦争末期から戦後の人間宣言に至るまでの昭和天皇を静謐に描く。
菊のタブーなどとよく言うが、決して昭和天皇を否定的に描いているわけではない。
現人神という、謎めいた位置付けが話の基軸になっている。
…
終戦直後の日本を舞台に昭和天皇を主人公にして映画を作るという日本人には到底不可能な芸当をやってしまうソクーロフ監督の手腕は最初は感嘆するし映像は綺麗でうっとりしてしまうけれど、淡々とした語り口とスロ…
>>続きを読む現人神ってすごい言葉。人間の想像力の最も残酷でもっとも行ききった形だなと思う。
人間、でも神。神、でも人間。
行ったり来たりする感じと、セリフに時々クスッとさせられてしまうところが印象的。
個人的…
不気味なまでの静けさだ。
ロシアのソクーロフ監督が、
終戦直前の昭和天皇の内面を抉り出した作品。
イッセー尾形演じる昭和天皇の呟きを
中心に描かれているが、
時折描かれる…
人間としての天皇を描いたというより、人間になりたい天皇はその宣言によって人間になれたのかを描いた、というのが正しい気がする。
史実にどれだけ忠実かというところはさておき、人間になりたかった天皇とい…
よもの海みなはらからと思ふ世になど波風のたちさわぐらむ
明治天皇が日露開戦当初に詠んだ和歌だが、昭和天皇の想いも同じであった。
昭和天皇が自身、妻、息子のアルバムを眺めるシーンは良いのだが、その…
“なんとも奇妙な映像だった
映し出される人物や風景は日本なのに、空気感というか、静けさはいかにもロシア映画を見たときの、狭っ苦しさを感じてしまう
妙なキャラクター的なイッセー尾形の演技や顔色も、か…
昭和天皇を描いた作品ということで、点数をつけるのは控えることとする。
天皇が現人神であるというのは西洋人の幻想ではないだろうか。日本人にとっては「神のような存在」ではあるが、(西洋的な、キリスト教の…