Joker

フィツカラルドのJokerのネタバレレビュー・内容・結末

フィツカラルド(1982年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

まず冒頭から一貫してフィツカラルドのオペラへの情熱、そしてオペラハウスを建てる夢への強い気持ちが伝わってきた。

アマゾンの自然や動物、そして我々文明人の目から見た実態の分からない先住民の様子や彼らとの交流がありのまま描かれていて、どこかドキュメンタリーのような感じがあった。

しかし、誰が山を船で越えようと考えようか?発想がぶっ飛んでいる。
しかし、本当に彼は船で本当に山を越えてしまうのだからこれには圧巻される。
船が山を登っていくシーンは神秘的でどこか人知を超えた力を感じさせる。先住民たちが思うようにフィツカラルドは本当に「白い神」なのではないかと感じさせられた。

この映画の見どころは山登りのシーンと同時に主役のフィツカラルドのキャラの良さだと思う。白い服で全身を包み、白い髪を散らかし、歳を取っているがどこか少年らさを感じさせる顔、それらが彼の夢を思う純粋な心とマリーを想う気持ちの優しさと混ざりあって、独特でユニークでありつつ人間味があって親しみやすいキャラクターになっていると思う。
彼のことをアホだと言っているレビューがあったが、確かに彼の発想は馬鹿げているかも知れない。しかしそれは純粋に夢を追うからであって、実際にその馬鹿げた発想も実行してしまうことが出来る男でもある。夢を描いても実際に行動に移すことが出来ない人が多いなか、事業は失敗に終わったけど、それでも彼の夢であったイキトスでオペラを披露すると言う夢の一部を最後に叶える彼をアホと呼ぶことはできない。むしろ、自分の夢をひたすら追い、自分の思ったことを、そして不可能だと思われることを実現できる他にない男なのである。

2時間半の長さで、スローペースではあったが、彼の夢に対する情熱が伝わってき、山登りの圧倒的で神秘的なシーンとアマゾンの自然や先住民たちをありのままに映した所など見どころが多く、アクションやストーリーの起伏を求める人よりも、映像を楽しみ、人の心情を読み取るのが好きな人にオススメしたい映画だった。
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