爆裂BOX

JIGSAW 第10ゲームの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

JIGSAW 第10ゲーム(2009年製作の映画)
3.5
山奥の別荘にやって来た7人の大学生。しかしその夜、仲間の一人が惨殺死体で発見され「生き残りたければ、朝6時までに自分以外の全員を殺せ」というビデオメッセージが届く…というストーリー。
タイトルだけシリーズ「JIGSAW」の第10弾です。タイトルは10作目だからか、特に劇中10が重要なキーワードで出てなかったと思うので…
ビデオメッセージを見た彼らは別荘から脱出しようとするも、盗まれたライフルによる狙撃や仕掛けられた罠で無残に命を落とす。やがて彼らの中に猜疑心が芽生え殺し合いが始まる、という内容です。
前半は別荘にバカンスに来たボンボンたちがバカ騒ぎしたりいちゃついたりする様が描かれますが、到着したその日の夜に仲間の一人が惨殺され、犯人からのビデオメッセージを見た彼らは逃げ出そうとするも、犯人の狙撃やデカいトラバサミの様なトラップで阻止され、やがて猜疑心と生き残ろうとする思いから争い、殺し合いになっていきます。
見所はやはり極限状態で崩壊していく人間関係でしょうか。最初に「みんな以上の仲間はいない」みたいな台詞言いますが、この状況下で「死にたくない」という思いや「アイツは信用できない」「彼は浮気してた」「みんな俺の事バカにしてる」といった腹の中に抱えていた思いが噴き出して友情や恋人同士の絆が揺らいでいく所は中々楽しめました。特にカップルできてる中に場違いにシングルで来てるデブ男が銃手にして本音爆発させる所は結構見応えありました。
犯人が手を下すのは逃げようとするやつだけで、脅したり武器を与えたりして仲間同士で殺し合うように仕向けていく所も面白いですね。車で逃げようとするのを阻止した後、ガソリンを車にかけて「制限時間内に一人出さないと焼き殺す」と脅す所は嫌らしい攻撃で良いですね。犯人の正体は最初から明らかですが、顔は最後の方で出てきますが、どうせなら最後まで顔見せないほうが良かったのでは。
学生達のリーダー格で女癖の悪いブレントは、仲間見捨てたり噓つきまくり、言葉巧みに奪われた銃仲間に取り戻しに行かせたり、躊躇なく仲間頃たりと物語引っ掻き回してくれましたね。タリン・マニング演じるブレントの義姉は初登場上半身ビキニ姿だったりビッチっぽい雰囲気だったけど、パニクるフレディを冗談言って落ち着かせたり率先して単身外に出て車取りに行ったりと結構冷静で頼りがいあった。チャラそうな感じだったマイクは皆がいがみ合う中仲取り持とうとしたり、仲間見捨てないなど純粋な正義漢だったな。その彼女のジェンは、逆に「アイツは怪しい」「あの女は信用できない」とか不和の種ばらまいて結構厄介な女でしたね。最後あんな事するし…
ゴア描写は目に火かき棒突き刺す所やスコップで手首切断したり顔叩き潰す所くらいか。
女同士で銃突きつけ合う中でアンバーが「彼の事を愛してるの」と告げて、マイクが「こんな時にする話か…?」と頭抱える所はちょっと笑った(笑)
重傷で寄り添う中でマイクが「すまない」という所は最後の最後でマイクもとうとう…と一瞬思ったけど、自分の事より他人の為に行動する男でしたね。アンバーは本人の言う通り犯人と同じにはならないと思うな。彼女は「切り捨てた」んじゃなく「生かされた」んだから。
自分が生き残るためにロープを切って仲間を殺した過去から「人は誰でも生き残るために友人を殺せる」という事を証明する為かと思ったら…いや、そうではあったんですけど、犯人的には「彼」がああいう行動した時点で目的達成されてたんだな。
スリラーとしては役者陣も結構熱演してて普通に見れる作品だと思います。