爆裂BOX

狂った情怨の復讐の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

狂った情怨の復讐(1969年製作の映画)
3.3
婚約者を何者かに殺されてしまったウェズレー。その後知り合った看護師ケイも何者かに殺されてしまい、記憶が曖昧だったことから彼は警察に疑われることに…というストーリー。
アメリカではカルト的な人気のあるサスペンスホラーです。
頭痛が起きるたびに周囲の女性が殺されてしまう主人公が、警察にも疑われ、自身も犯人なのではないかと思い始めていくなかで果たして犯人は…?というサスペンス展開ですが、グルグル渦巻きが回るサイケな映像と共に訪れる謎の頭痛や、不審な言動したりして警察に容疑者としてマークされるウェズレー。精神病院に入院していた過去もあるため、自分でも犯人ではないかと思い込んでいきますが、見てる側からしたらあからさまに怪しい方へ導こうとし過ぎてるので犯人ではないだろうなと思っちゃいますね。更に、序盤での母親の会話や終盤近くでの精神科医のリアクションなどで犯人もすぐ見当ついてしまいます。ひねりのない「サイコ」という感じでしたね。
主人公のウェズレーは始まってすぐ婚約者殺されて、その後出会う看護師の恋人ケイも殺されて犯人として疑われて中々に不幸な境遇ですが、終盤で近付いてきた女記者に「誘ってるんだろ」と迫ったりとチャラい印象だし、クラブで絡んできた酔っ払いボッコボコに殴り付けたり結構凶暴な所もあってあんまり同情も共感もできない主人公だったな。最初に殺される婚約者やケイ、美人女記者など女性陣は皆綺麗な人達でした。主人公の友人マイクが酔っぱらった主人公に脅されたりしても、捕まって釈放された主人公迎えに行ったり終始いい人でした。
針で目を刺したり、斧を胸に叩きつけたりといったショックシーンが見所と言えるかな。時代的に直接的な描写はないだろうと思っていたんですが、終盤で斧で手首叩き切られたり切断された手のアップなどは時代考えると結構攻めた描写じゃないかと思いました。
クライマックスの展開は「まあそうだろうな」という感じでしたね。溺愛しながらもずっと恨んでも来たんだな。そこら辺の愛憎の感情をもっと丁寧に描いても良かったんじゃないかな。ラストは切なさと後味の悪さ残るものでしたね。
ストーリー展開はサスペンスとしては凡庸でしたが、ショック描写などはまあまあだったかな。カルト映画好きなら一見しても良いのではないでしょうか。