爆裂BOX

アックス・ジャイアントの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

アックス・ジャイアント(2013年製作の映画)
3.4
犯罪者更生プログラムの一環として山奥に連れてこられたクレアら5人の若者達。鬼教官の厳しい指導に耐えかねた彼らは脱走を図るが、その森には恐ろしいモンスターが潜んでいた…というストーリー。
アメリカやカナダの民間伝承に伝わる巨人の木こり「ポール・バニヤン」を題材にしたモンスターホラーです。「スパイダーズ」や「クロコダイル2」等モンスター映画多く手掛けるゲイリー・ジョーンズが監督務めてます。
森に潜んでいたのは巨人の木こりポール・バニヤン。脱走しようとした若者の一人が偶然雄牛の角を拾って持ち帰ろうとするも、突然現れたポール・バニヤンに仲間の一人が殺され、彼らは追い掛けられることになる、という内容です。
冒頭から多数のバラバラ惨殺死体が登場して回転ノコ使った切株が出たりと凄惨で景気よく始めてくれます。ストーリー展開は「森に来た若者達が巨人に追い掛け回されて殺される」というスラッシャー映画のような流れですね。前半は森に更生キャンプに来た若者達が鬼教官の元、ハイキングしたりが描かれますが、ポール・バニヤンが登場してからは切株あったり暴れまわってくれます。
回転ノコで頭部粉砕したり、斧で体真っ二つにされたり、首チョンパや腕チョンパなど切株シーン色々出てきますが、安いCGなのはちょっと残念ですね。
ポール・バニヤンは肉襦袢着て顔にメイクした大柄の男で、合成で巨人感出してますが、正直合成技術浮きまくりで酷いです。特に山小屋壊して女掴んでマジマジ見てる所の合成酷かったな。冒頭で登場した時はそんな大きくないなと思いましたが、まだ子供だったようで大人になってからは5mくらいの大きさになります。元々木こりとして暮らしてて、親友の雄牛のベイブを飢饉で腹減らした木こりのオッサンたちに殺されて食われて怒り爆発で虐殺してしまいますが、根っから邪悪な怪物という訳ではないんですよね。今回も墓に飾っていたベイブの角盗まれて怒ったけど、それまでは森の中で静かに暮らしてたわけだし。まあ、あれだけ人殺したから鉱山に閉じ込められるのはしょうがないかもだけど。単純に若者が襲われるだけの話の中にこの過去話盛り込んでポール・バニヤンにもちょっと同情できそうな要素も盛り込んでるのも良いですね。
キャラは口悪くて罵声飛ばしまくる鬼教官以外印象に残るキャラいなかったですね。犯罪侵したクソガキ達って割には最初こそ不真面目な態度とってたけど、そこまで自分勝手に騒ぎ立てる奴いなかったし。一応主人公?のクレアがバニヤンがかつて恋してた女性にそっくりって設定もあまり上手く活かされてなかったな。斧で切断されて上半身になってもバニヤンに罵声浴びせ続けて自分に注意惹きつけさせる鬼教官は根性ありすぎて印象に残ります。
ジョー。エステヴェスがキチ×イじみた爺さん役で出演してますが、この爺さんも何であれだけポール・バニヤンを庇ってその存在秘密にしようとしたのかも分かりませんね。人まで殺すし、その割にはアッサリやられるし。
ラスト、一斉射撃を受けてヒロインに手を伸ばしながら落ちていくポール・バニヤンの姿は悲哀感じさせるもので良かったですね。エンドロールの歌も何かよかったです。
全体的に安っぽいですが、モンスター映画としては及第点に楽しめる作品だと思います。