べるーし

卒業のべるーしのレビュー・感想・評価

卒業(1967年製作の映画)
3.7
アメリカンニューシネマの一つを初鑑賞。

優秀な成績を持つベンジャミンは大学を卒業し、帰郷後に卒業パーティで知り合いのロビンソン婦人と再会する。彼女に何度も誘惑された彼は仕方なくその誘惑を受け入れ、性に目覚めてしまうというストーリー。


大学を卒業、童貞を卒業、そして親から卒業。アメリカンニューシネマの一つ「俺たちに明日はない」が映画の暴力表現を広げたとするなら、今作は映画における性の表現を広げたという事になりますね。なので暴力性はゼロ。

正直面白いかで言えばそんな特別面白いワケでもなくて、ぶっちゃけると退屈に感じる場面は割と多い。でも、それは悪い意味ではなくて今作にとってはそれがプラスになっております。まぁ、時代背景的に秘められたメッセージ性が中々強烈で。詳しくは後述にて。

何というかどいつもこいつも倫理観破綻者しかいないのは何故w 特に何やこの主人公...と思えばトラヴィス・ビックルがそうだわな。タクシードライバーの初見もこんな印象だった。親の言いなりがままに動いていた男が遅めに性に目覚めたらこんな女たらしモンスターになるのか。人間怖えな。まぁ多分主人公を寝取ろうとしたオバンが全ての元凶やな。

秘められたメッセージ性というのは最後のアレです。有名なアレ。行動とは虚しいものだという意味らしいですね。ベトナム戦争に対する風潮がまさにそんな感じで、何の為に戦っているのか?という監督らの憤りが主人公の行動にそのまま反映されているってのがね...いずれにせよあの青年にはバッドエンドしかないでしょう。そんな監督からのメッセージ。これぞニューシネマ。恐るべし!


追記:ニックネームをシン・映画マンからべるーし(ゔぇるーし)に変更致しました。今後ともよろしくお願いします。
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