湯っ子

綿の国星の湯っ子のレビュー・感想・評価

綿の国星(1984年製作の映画)
3.8
原作はずいぶん昔に読んだけど、すでに手放してしまっていて、ほとんど覚えていません。なので、チビ猫にはこのアニメで初めて出会ったのと等しい感覚。
チビ猫はもちろんかわいらしくて健気だし、ふわふわの髪に白いエプロンドレス姿は、さぞかしたくさんの乙女心をキャッチしてきたことでしょう。
でも、私は猫アレルギーながらも、息子がかわいがっているチビ猫との接触に挑戦し続けるトキオのお母さんに感情移入しました。作中では猫アレルギーと言っているけど、くしゃみもかゆかゆもなさそうなので、要するに猫嫌いってことなのかな。このお母さんが、陰の主役のように感じました。
チビ猫=「恐れ」を知らぬ無垢な少女が世界と出会う。外へ向かうベクトル。
猫嫌いのお母さん=自らの「恐れ」と対峙し克服する。内へ向かうベクトル。
子供と大人のあいだにいる10代の少女たちにとっての過去と未来、外向きのベクトルと内向きのベクトルとがこのお話の中に共存していて、やはりこれは少女マンガの名作として名高いことに深く納得したのでした。

midoredさん、ご紹介ありがとうございます♪
湯っ子

湯っ子