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ラビット・ホールのqpのレビュー・感想・評価

ラビット・ホール(2010年製作の映画)
3.5
 交通事故で息子を亡くしたベッカーとハウイー夫妻がその悲しみを乗り越えようとしていく話です。

 息子を亡くした描写から始まらないため、ストーリーが飲み込めるまでは偏屈な夫婦だなという印象を持ちます。色々なシチュエーションでの発言を経て息子を亡くしたんだと理解しました。映像で示されるわけではないのですが、子供を亡くしたという不幸の描写は象徴的です。

 いかにも米国らしい同じ境遇の人が集まるセミナーに参加するなど、ハウイーは色々変化させようとしていく一方で、ベッカーは周りの心配をよそに大丈夫と振舞います。特に、セミナーでの神様や天使が出てくるのは日本では怪しまれるくらいのものですね。でも、加害者との関わりが非常に浮いていたなと感じました。ベッカーの気持ちが上手に理解できませんでした。

 暗い葛藤が示されますが、喧嘩の描写など夫婦の感情の変化はよくわかり、不幸を抱えた夫婦をけっこう観入ることができました。やるせない生活の中でも、悲しみのレベルは大したことないし、少し何かあっても流されずに乗り越えようと受け止めることができました。
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