MiYA

ブロークバック・マウンテンのMiYAのレビュー・感想・評価

4.0
ここまで露骨にゲイの恋愛を描いたものを見たことなかったので衝撃。なにしろ物語がどう転がるか全く予測できないので、共感の要素ゼロの映画にもかかわらず、すっかり引きこまれてしまいました。

それぞれ家庭を持っているのになぜ男を愛してしまうのか。おそらく本人たちだって訳わからなくなっているのであって、彼らの混乱っぷりはとにかく痛い。そりゃ彼らの家族は気の毒だし、嫌悪感もある。でも恋愛感情は理屈で動くものではないから…。

それにしても本作と「クラッシュ」がアカデミー作品賞を争ったというエピソードは興味深いですね。片や黒人差別、片や同性愛。どちらもアメリカの病巣をえぐっているのですが、黒人差別を表立って否定することは許されないけど、同性愛は生理的な理由、宗教的な理由で否定することはありうる。だから本作は受賞を逃したんでしょうし、風当たりの強さもわかる気がします。

ちなみに、ミシェル・ウィリアムズって野暮ったくて好きじゃないんですけど、本作のような田舎女はよく似合うというのは発見でした。
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