ねぎおSTOPWAR

ブロークバック・マウンテンのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

4.4
アカデミー受賞作品を観よう44(2005年第78回監督賞/脚色賞/作曲賞)

これね、まったく情報なしで観はじめたんですよ。
リストアップから間も空いて理由も忘れちゃって・・。

もう冒頭いくつかのショットで「これすげー!」って。
で、「えっこれヒース・レジャー?・・とギレンホールか??」「おぉー・・」
さすがに一度PAUSEして「監督誰だよ・・あーアン・リー!!」
そして「えっ、ちょっと待って!おいおいっ!!えっえぇーーよつんばい??」

ヒース・レジャーは主演男優賞に、ジェイク・ギレンホールは助演男優賞にそれぞれノミネート。わたし的にはそれにふさわしい演技だったと思いますけれど、やっぱりその役のそもそもの印象も作用しちゃうんでしょうか・・。ふたりとも残念。

さらに
「ミシェル・ウィリアムスじゃないですか!!」
「これ、この鼻はアン・ハサウェイ!!」

もうこれで娘がクロエちゃんやエル・ファニングだったりしたら120点満点でしたが充分100点です!素晴らしいキャスティングじゃありませんか!!

アン・リー監督はこの作品が作品賞逃したことでアカデミー批判のコメント残したそうで・・。世論も《ゲイ・カウボーイ・ムービー》という反応だったようですね。テキサスの男で1960年代でしょ。やや仕方ない反応かも。
監督は普遍的な話だと・・。
まあそれもよくわかりますけれどね。
ストーリーの構造も、許されない二人の関係が周囲には理解されないってものですよね。スタンダードですよ、そう、普遍的なものですよ。言えば「失楽園」ですわ。

本当に情報なしで観たことで久々マジびっくりこきましたが、いやあ楽しかった!
風景のロングショットがお見事でした!
撮影はロドリゴ・プリエトさん。んっどれどれ?
観ているのは「バベル」「消されたヘッドライン」「アルゴ」「沈黙サイレンス」「パッセンジャー」そして「アイリッシュマン」と来た。アイリッシュは観なくちゃ!!
スコセッシとたくさん組んでますね!
そしてどれも作品自体は「??」でも面白いショットはありましたね。注目しましょう!

《追記2020/2/7》
町山さんの解説を追記。
これは何もゲイの話を描く映画ではなく、アメリカの家父長制度の話であり、アメリカが大切にしてきたカウボーイ幻想の終焉を描いているんだと。大人になり切れない男たち・・。それをアジア人であるアン・リーが映画にしたと。・・まあ原作があるわけですけどね。